風野真知雄さんに「中山義秀文学賞」 福島県出身者が初受賞

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 白河市大信出身の芥川賞作家中山義秀(1900~69)を顕彰し、優れた歴史・時代小説をたたえる第21回中山義秀文学賞の公開選考会は22日、同市で開かれ、風野真知雄さん(64)=須賀川市出身=の「沙羅沙羅越(さらさらご)え」(KADOKAWA)が選ばれた。本県出身者の受賞は初めて。中山義秀顕彰会の主催。市、市教委、中山義秀記念文学館の共催。福島民友新聞社などの後援。

 風野さんは同作品で、越中の戦国武将・佐々成政が浜松の徳川家康に会うため、厳冬期の北アルプス越えを成し遂げる様子を描いた。

 風野さんは同会を通じ「ほかの候補作も素晴らしかったので、選ばれると思っていなかった。同郷の中山義秀先生の名を冠した賞の受賞を大変うれしく光栄に思う」とコメントした。

 選考会では、作家の津本陽さん、竹田真砂子さん、安部龍太郎さん、文芸評論家の縄田一男さんが選考委員を務めた。ほかの候補作は朝井まかてさんの「御松茸騒動」(徳間書店)と今井絵美子さんの「群青のとき」(KADOKAWA)。