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市川のギョーザ、数個で致死の可能性 千葉県警鑑定

2008年03月13日21時23分

 中国製ギョーザによる薬物中毒事件を捜査している千葉県警は13日、同県市川市の家族が食べてはき出したギョーザの皮から3580ppm、具から3160ppmの「メタミドホス」を検出したとの鑑定結果を発表した。極めて高濃度で、専門家は「(同じ濃度で汚染されたギョーザであれば)数個で死に至る可能性もあった」と指摘。製造工程で農薬が混入された可能性がさらに高まったとみている。

 市川市の家族5人が1月22日に食べた「CO・OP手作り餃子(ギョーザ)40個」は完食されていたが、県警は吐瀉物(としゃぶつ)を採取。皮と具をそれぞれ0.1グラムずつ取り出して調べた。

 それによると、濃度は皮1グラム換算で約3.58ミリグラム(3580ppm)、具材1グラムでは約3.16ミリグラム(3160ppm)が含まれるレベルだった。この商品はギョーザ1個約14グラムで、1個あたりでは約45ミリグラム(0.045グラム)になるという。残留メタミドホスの検疫基準はニラ0.3ppm、キャベツ1ppmで、これらの約1万〜3千倍にあたる。

 メタミドホスは加熱で減るため、実際には検査結果以上の高濃度が混入されていた可能性が高い。県警は、皮と具の濃度差から「皮から具にしみ出したとも推測される」と説明した。

 この家族は、次女(5)が意識不明になるなど、5人が25〜26日間入院した。農薬に詳しい本山直樹・千葉大大学院教授は「大人は5、6個、子どもなら1、2個で死んでいた可能性もあるということ」と話す。

 本山教授によると、一般的に体重50キロの大人で約650ミリグラム、体重20キロの子どもで260ミリグラムのメタミドホスを摂取すると、半数が死ぬ可能性がある。ただ、統計では、その5分の1の量でも致死量に達する場合があるという。

 

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