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企画特集 1

【公金 どこへ】

年間経費4000万円 仕事は赤字処理だけ

2011年05月26日

 約25億円の赤字を残した「開国博 Y150」の閉幕から2年近くがたつが、赤字処理のめどは立たず、横浜市などが出資する「横浜開港150周年協会」は解散できずにいる。スタッフは2人、仕事は赤字処理だけだが、年間経費が約4千万円に上っていることがわかった。

 市によると、ピーク時には77人(市からの派遣23人)のスタッフがいたが、現在は市派遣の部長級1人と人材派遣の計2人。仕事内容は赤字処理に絡む訴訟、調停だけという。

 今年度の協会予算によると、部長級の給与・賞与が1350万円、事務所賃料や事務機リース代が155万円、光熱費40万円、人材派遣400万円、弁護士報酬1160万円などで計3989万円になるという。

 Y150は有料入場者数が目標の500万人の4分の1にも届かず、赤字処理を巡って業者と相次いで訴訟になった。広告会社アサツーディ・ケイは未払い金支払いを求めて協会と市を提訴。近畿日本ツーリストなど2社も入場券未払い金を巡って訴訟中だ。

 この問題が取り上げられた25日の市議会常任委員会で、井上さくら市議は「赤字処理のためだけに事務所を借り、高い人件費を払う意味があるのか。局のどこかに机を置くだけでも十分だろう。結果的に赤字が増えて、市費投入が膨らむだけだ」と批判した。市文化観光局の光田清隆局長は「必要最小限の経費。早期かつ妥当かつ円満な解決のために進めている」と同じ発言を繰り返した。

 市は昨年12月、協会の赤字穴埋めのため12億6600万円を投入。博報堂JVに支払われた。送迎バスや警備を担当した会社に払うため今議会でも補正予算案に4474万円を計上している。

(佐藤善一)

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