元慰安婦を主人公にした絵本、支援団体が発表 台湾初

【社会】 2021/03/29 19:11 文字サイズ: 字級縮小 字級放大
元慰安婦を主人公にした絵本「蘆葦花開」

元慰安婦を主人公にした絵本「蘆葦花開」

(台北中央社)台湾の元慰安婦を支援する婦女救援基金会は29日、元慰安婦を主人公にした台湾初の絵本を発表した。対象年齢は10歳以上。中高の教師と連携することで、絵本を中高の授業に取り入れてもらえるよう期待を寄せている。

絵本のタイトルは「蘆葦花開」(仮訳:ヨシの花が咲く)。同会によれば、日本統治時代と第2次世界大戦前後に女性が強制的に戦争の性奴隷にされ、性暴力を受けた歴史を理解できる物語になっているという。

同会はこの日、台北市承徳路の慰安婦記念館「阿嬤(おばあちゃん)の家 平和と女性人権館」で記者会見を開いた。同館は当初は迪化街にあったが、資金繰りの悪化のために昨年11月に閉館し、新住所に移転した。新刊発表会は移転後初のイベントとなった。

同会の葉徳蘭董事長によれば、絵本を使った授業は今月19日に台北市の建国高級中学(高校)で試験的に行われた。都市と比べて教育資源が不足している田舎の地域の学校から授業を開始していきたいとしている。

(張雄風/編集:名切千絵)