〈天才的な話術と頭脳で数々の番組をヒットさせてきたお笑い芸人、島田紳助(51、写真)。23日からスタートするテレビ朝日系『美味紳助(おいしんすけ)』(月曜午後7時)は、自身の食へのこだわりをフルに発揮した番組だ〉
自然と、「おれはすし職人になるんだ」って子供のころから思ってました。それが変わったのが18歳のころ。B&Bの島田洋七兄さんの舞台を生で見たのがきっかけですわ。「おれも芸人になって、いつかこの人を倒そう」と思ってね。でも、結構すぐに自分から倒れてくれて(笑)。目標を失ってしまったんですけど、最近、『がばいばあちゃん』でジェイソンのように復活して。あのおばあちゃん、実在したか疑わしいって話もあるんですけど(笑)。
〈芸人として頂点を極めても、料理人になる夢は抱き続けていた。知る人ぞ知る料理の腕前が世間に広く知られるきっかけは、11年前に出演したフジテレビ系『料理の鉄人』。テーマ素材は大正エビで、中華の鉄人・陳建一氏(51)に敗れはしたが、見事な包丁さばきを見せた〉
出演の話が来たときは最初、断ったんですよ。「素人ですから堪忍してください」って。でも、服部幸應(ゆきお)先生のところで、当てずっぽうで鯛をさばいてみたら、びっくりされて。「紳助さん、さばき方、合ってますよ。どこで勉強したんですか?」って。
だれにも習っていないのに、どこかで職人さんがやっているのを見続けて覚えてしまったんでしょうね。本業のしゃべりにしても、習ったわけではなく、だれかのマネで身につけたんやろうし。昨日もね、自分で鯛炊いて、タケノコのアク出しして、晩ご飯を作りました。
〈一昨年、本名を屋号に掲げたすし店「寿司 はせ川」が大阪・心斎橋にオープン。たまに板場に立つこともある〉
本職の板前と僕が握ったすしの両方を、誰が作ったものかは知らせずにお客さんの前に出して、「どっちが僕?」と聞いてみるんです。当然、お客さんはおいしくない方を僕のものだと思って選ぶんですけど、間違えることもあるんです。そのたび、板前は面目失って半泣きになりますわ(笑)。
〈さぞかし味にはうるさいと思うのだが…〉
5−6年前、あるエライ方に食事に誘われて「好き嫌いはないか?」って聞かれて、「ありません」って答えてしまったら、ナマコが出されて。見ただけで、オエッて、めまいがしました。
あと納豆。人の食い物やないと思う。もちろん、納豆巻は店では出してません。僕が大阪府知事になったら、納豆は大阪から追放します。オクラも苦手。「こいつ、星形で油断させやがって」って思うわ(笑)。
〈食の話は尽きず、ますます饒舌に−〉
(つづく)
■しまだ・しんすけ お笑いタレント。1956年3月24日、京都市出身。51歳。75年に松本竜助(故人、当時・竜介)と漫才コンビ「紳助・竜介」を結成し、80年の漫才ブームで大ブレーク。85年にコンビ解散後は、多数の番組で司会者として活躍。
紳竜の軌跡を追った2枚組ドキュメントDVD「紳竜の研究」(コロムビアミュージックエンタテインメント)が5月30日に発売予定。
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ZAKZAK 2007/04/25