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稀代のヒットメイカーと、天才的スラッガー。若くして頂点に のぼり詰め、メジャーリーグを代表する選手となった2人。 バッティング論、家族、人としての成熟――。お互い認め合っている からこそ話せることが、ここにあった。イチローと、A-ROD。 2003年シーズンも、彼らのプレーは輝き続ける。
石田雄太=構成 text by Yuta Ishida 朝倉宏ニ=写真 photographs by Koji Asakura
【アレックス】 '99年、僕がまだマリナーズにいた時、イチが2週間だけ、アリゾナのスプリングトレーニングに来たことがあっただろう。あの時、一緒にNBAのフェニックス・サンズの試合を見に行ったよね。僕が迎えに行ったら、イチは手帳を持っていて、何かって聞いたら、「日本語と英語の辞書だよ」って言うんだ。僕はそんなものがあるなんて知らなかったから、ビックリしたのを覚えてる。
【イチロー】 そんなことより、その前に僕が1時間も待たされたこと、覚えてる?
【アレックス】 そうだっけ?(笑)。でも、サンズのゲームには間に合ったよね?
【イチロー】 そういう問題じゃない(笑)。5時の約束だったのに、アレックスが来たのは6時5分。
【アレックス】 ごめん、ごめん。若気の至りってヤツだよ。あの頃の僕はクレイジーだった。今はもう大人だよ(笑)。イチと初めて会ったのは、'96年の日米野球だったかな。あの時、イチローのプレーを初めて見たんだ。よく覚えているよ。すごく速かった。最初に僕のところに打ったゴロがセーフになっちゃったんだ。覚えてる? ひえーっ、何だ、アイツはって感じだった。真正面に飛んできたゴロをセーフにされちゃったんだからね。
【イチロー】 覚えてるけど、あれはギリギリでアウトになってる。
【アレックス】 あれ、アウトだったっけ? でも『ワオッ』って感じだったのは確かだね。一度でも対戦したことのあるバッターだったらどのくらいのスピードでプレーすればいいかわかるんだけど、イチローとはその時が初めての対戦だったから“専用の時計”がセットされていなかったんだ。あの時「コイツにはもう一つ、別の時計がいるな」と思ったよ。
【イチロー】 だからってさ、僕が打った時、ムキになって内野安打を防ぎにいくの、やめてね(笑)。僕が打席に立っていたとしても、もっと普通にやってくれればいいんだから。
【アレックス】 ハハハ。そんなつもりはないけどなぁ。そういう感じがする?
【イチロー】 する。
【アレックス】 でも、イチはショートやサードの守備位置とか肩の強さを考えて、軽く当てたほうがいいというバッティングをするの?
【イチロー】 相手の守備範囲の広さとか、肩の強さを測って、バッティングを変えることはないね。その時の守備位置によって変えようとすることはあるけど。
【アレックス】 守備位置で? 守ってないところを狙って打つの?
【イチロー】 もちろん、いつもうまくいくわけじゃないけどね。
【アレックス】 僕、ア・リーグのショートはみんな、イチに対する守備位置のとり方を間違えていると思うんだ。どちらかといえばセカンド寄りに守っているだろう。あれは賢いやり方じゃない。三遊間に打たれたら全部ヒットになっちゃうじゃない。僕はむしろサード寄りのギリギリのところで守るようにしている。真正面にきたらもちろんアウトにできるし、セカンド寄りに打球が飛んできても、そっち側は一塁が近いんだからアウトにできる。その方がイチのヒットゾーンを狭めると思うんだけどなぁ。テレビで見ていると、たいていのショートはイチに対してセカンド寄りの守備位置をとっているんだ。そういう時、僕は一人で「違うんだよなぁ」って言いたくなっちゃう(笑)。イチは僕がどういう守備位置をとっているか、知っている?
【イチロー】 他のショートよりもちょっとサード寄りにいるよね。
【アレックス】 そう。セカンド側に飛びついて捕ったらアウトにできるかもしれない。でもサード側に打たれたら、もう無理だね。だからセカンドベース寄りに守備位置をとるという考え方にはどうも納得がいかない。
【イチロー】 どちらにしても、極端に守備位置を変えてくれれば、それはこちらにとっては楽だから。どちら側に極端に守られても、すごく楽。普通に守られるのが一番イヤ。
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