レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 山梨県立図書館 (2110005) | 管理番号 (Control number) | 9000007155 | ||||||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2011年01月29日 | 登録日時 (Registration date) | 2011年08月25日 17時27分 | 更新日時 (Last update) | 2011年08月25日 17時27分 | ||||||||
質問 (Question) | 沖縄県の民家などの屋根に使われる「赤瓦」について書かれている資料を紹介してほしい。 | ||||||||||||
回答 (Answer) | 『沖縄文化史辞典』(真栄田義見ほか編 東京堂出版 1976年)に詳しい解説がある。また『日本の家:風土・歴史・ひとが築いた町並みと住まい』第4巻(藤井恵介監修 講談社 2005年)などに、赤瓦を用いた民家のカラー図版がある。その他の資料については照会資料をご覧下さい。 | ||||||||||||
回答プロセス (Answering process) | 1.沖縄の歴史・文化事典を調査 ・『沖縄大百科事典』上巻(沖縄大百科事典刊行事務局編集 沖縄タイムス社 1983年)→p784-785「瓦 かわら」の項に「古くは黒瓦が城や社寺に用いられたが、そのご瓦製造は中断、板葺きに変わり、17世紀末になって赤瓦葺きが盛んになる」などの記述があり、「瓦づくり用具」「牡瓦づくりの工程」「牝瓦つくりの工程」の図がある。 ・『沖縄文化史辞典』(真栄田義見ほか編 東京堂出版 1976年)→p106-108の「瓦葺き」の項に、赤瓦の歴史と「瓦の規格」「野地(エツリまたはユツチイ)」「葺き方」「漆喰(ムチ)」に細分化され詳述されている。 2.民俗学関係の参考図書を調査 ・『日本民具辞典』(日本民具学会編集 ぎょうせい 1997年)→p142「かわら」の項に赤瓦についても触れられている。 ・『写真でみる民家大事典』(日本民俗建築学会編 柏書房 2005年)→p436-437に渡名喜島、p438-439に竹富島の民家の写真(白黒)と解説があり、赤瓦についても記述がある。 3.沖縄の建築関係資料を調査 ・『沖縄美術全集』第5巻 建築・彫刻・民具・工芸(沖縄美術全集刊行委員会編集 沖縄タイムス社 1989年)→建築編のカラー図版中に赤瓦を使った建物の写真あり。赤瓦についての説明は、p77にある。 ・『総覧日本の建築』第9巻 九州・沖縄(日本建築学会編 新建築社 1988年)→沖縄県の建築の概要の中に木造建築の説明があり、赤瓦についても書かれている。また、p378-402の図版の中に、赤瓦の建築物の白黒写真の掲載がある。 4.沖縄県の民家に関する図書を調査 ・『日本の民家』7 町家3(学研 1981年)→石垣市「旧宮良殿内(みやらどんち)のカラー図版(121-123)と図版解説(p186-187)の掲載あり。 ・『日本の家:風土・歴史・ひとが築いた町並みと住まい』第4巻 中国・四国・九州・沖縄(藤井恵介監修 講談社 2005年)→p134-141に竹富島の上勢頭家、北中城村の中村家のカラー写真と解説がある。 5.瓦に関する図書を調査 ・『和瓦のはなし(物語ものの建築史)』(藤原勉著 鹿島出版会 1990年)→p103「赤い屋根は地方「色」-石川瓦と沖縄瓦」の項に、「初期の沖縄瓦は還元炎による灰色の瓦であったが、それが十八世紀前半頃より酸化炎による赤瓦になったという」「沖縄の粘土には鉄分が多く赤色を呈し」などの記述がある。 ※次のものには沖縄の赤瓦についての記述はなかった。 ・『古建築の瓦屋根:伝統の美と技術』(坪井利弘著 理工学社 1981年) ・『建築家のための瓦の知識:これだけは知っておきたい』(坪井利弘著 鹿島出版会 1985年) ・『日本の瓦屋根』(坪井利弘著 理工学社 1979年) ・『図鑑瓦屋根』(坪井利弘著 理工学社 1980年) ・『瓦屋根(NHK美の壺)』(NHK「美の壺」制作班編 日本放送出版協会 2006年) | ||||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||||||||
備考 (Notes) | ・『沖縄美術全集』第5巻 建築・彫刻・民具・工芸(沖縄美術全集刊行委員会編集 沖縄タイムス社 1989年)によると、沖縄の瓦は14世紀に高麗の工匠の指導で始まり、初期の城郭建築に用いられたが中断した。初期の瓦は黒瓦だったが、17世紀中頃赤瓦となって復活した。赤瓦は、王宮とそれに関連の深い社寺から始まり、貴族や氏族の住宅に広がった。地方では役所だけが瓦葺とされ、一般の民家に瓦葺が用いられるようになったのは禁制が解かれたのは1889年以後である。男瓦と女瓦を組合せ、漆喰で固めた赤瓦の屋根は、耐用性があり、台風の多い沖縄に適している。屋根面に据えられた飾り獅子が沖縄独特の異国情緒を強調する。 | ||||||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 | 内容種別 (Type of subject) | 建築 | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | ||||||||
登録番号 (Registration number) | 1000090385 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |