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英下院が承認、シリアを空爆…欧米の包囲網強化

 【ロンドン=角谷志保美】英議会下院は2日夜、英軍がイラクで実施しているイスラム過激派組織「イスラム国」に対する空爆のシリアへの拡大を認めるよう求める動議を、賛成多数で可決し承認した。

 英BBCなどによると3日、英空軍機がシリアで空爆を始めた。11月のパリ同時テロを受けたもので、欧米諸国による「イスラム国」包囲網はさらに強化される。

 動議はキャメロン首相が提出し、賛成397票、反対223票で可決された。

 最大野党・労働党(231議席)のコービン党首は強硬に反対したが、英PA通信によると、同党議員も66人が賛成に回った。キャメロン氏は「下院は英国の安全を守るために正しい選択をした」と述べた。

 英国は、英軍が参加したイラク戦争が泥沼化し多数の死者を出して以来、中東での紛争への介入に慎重で、キャメロン政権が2013年には、シリア・アサド政権への空爆を実施しようとしたが下院の同意を得られずに断念したことがある。イラク政府からの要請に応える形で昨年9月、同国領で「イスラム国」への空爆を始めた。シリアを巡っては、英国はアサド政権と対立関係にあるうえ、協力できる反政府勢力の地上部隊が十分ではないとの課題が指摘されていた。

2015年12月03日 14時34分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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