北朝鮮“戦略巡航ミサイル4発 きのう日本海に向け発射訓練”

北朝鮮は、戦略巡航ミサイル「ファサル2型」4発を日本海に向けて発射する訓練を23日に行ったと、24日朝発表し、北朝鮮の核の脅威を想定した図上演習を行ったばかりの米韓両国への対決姿勢を強めています。

北朝鮮の国営テレビは、軍の「戦略巡航ミサイル部隊」が23日未明、北東部のハムギョン(咸鏡)北道キムチェク(金策)から日本海に向けて、戦略巡航ミサイル「ファサル2型」4発を発射する訓練を行ったと、24日朝、写真とともに伝えました。

訓練では「2000キロを飛ぶ設定で4発のミサイルがだ円や8の字の軌道で、2時間50分余り飛行し、日本海上の標的に命中した」としています。

また、訓練を行った部隊について、「核抑止力の重要な構成部分の一つ」としたうえで、「核戦闘武力の臨戦態勢を示した」と主張して、「戦略巡航ミサイル」が実戦配備の段階にあると強調しました。

一方、アメリカ国防総省と韓国国防省は22日、北朝鮮の核の脅威を想定した図上演習を行いました。

また、23日には演習の参加者が、アメリカ南部ジョージア州の海軍基地で、原子力潜水艦の訓練施設を視察したということです。

米韓両国がアメリカの核戦力を含む抑止力で韓国を守る「拡大抑止」の強化を図る中、北朝鮮としては24日の発表で両国への対決姿勢を示した形です。

北朝鮮「わが国への宣戦布告とみなしうる」

北朝鮮外務省は24日、アメリカ担当局長の談話を発表し、アメリカが韓国とともに行った北朝鮮の核の脅威を想定した図上演習を非難しました。

そのうえで「挑発的な動きを続けるならば、わが国への宣戦布告とみなしうる」として、米韓両国による一連の軍事演習を中止するように要求しました。

韓国報道 “米原子力空母 3月末 プサンへの入港検討”

韓国の通信社、連合ニュースは政府関係者の話として、来月末アメリカの原子力空母の南部プサン(釜山)への入港を米韓両軍が検討していると報じました。

韓国では来月、米韓合同軍事演習が予定されていて、連合ニュースは、原子力空母のプサン入港が決定した場合、北朝鮮に断固として対応する米韓両国の姿勢を示すことになると伝えています。

松野官房長官「被害報告など確認されず 警戒監視努める」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「現時点でわが国の排他的経済水域や領域への飛来は確認されておらず、被害報告などは確認されていない」と述べました。

そのうえで「北朝鮮の発表によるとミサイルは射程が2000キロに及ぶと承知しており、事実であれば地域の平和と安全を脅かすもので懸念を有している。引き続きアメリカや韓国などと緊密に連携し、必要な情報の収集・分析、警戒監視に努めていく」と述べました。