4.ヒュプシスタイ門 |
Thiva04 |
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その家の呼び鈴を押せ |
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この門は旧テーバイ城郭の最南端に位置し、時計で言えば6時の位置にあるはずである。現在のテーバイ市の中央部を南北に平行して走るピンダロス通りと、エパメイノンダス通りが、アクロポリスの南端で合流する地点があり、西から来るエテオクレス通りとも交わる六叉路交差点の北東の角あたりに位置しているはずである。しかしそこらしい街角には現在は鉄筋のビルが建っており、遺跡らしいものは全く見あたらない。 私は「ひょっとしてヒュプシスタイ門はこの家の庭にあるのか?」と思い、「でも、私はギリシャ語が喋れない」と老女に向き直って身振りで伝えると、彼女は「構わずにその家の呼び鈴を押せ」との身振り。 |
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最も見たかった場所、立ちたかった場所 |
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私が最も見たかった門、テーバイで最も立ちたかった場所、「テーバイに向う七将」で、主人公エテオクレスがポリュネイケスと相討ちとなって戦死したその場所が、そこにあった。東北の角には、今はごらんのように薄いオリーブ色のビルが建っている。 |
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エパメイノンダス将軍 | |||||||||||||
私は暫くのあいだ、立ち去りがたい思いがして、その交差点内を歩き回った。付近を観察して見ると、同じ交差点の中央にブロンズのギリシャ戦士像が立っていた。 |
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テーバイとモーツアルト | |||||||||||||
1.プロイティダイ門の所でも書いたが、今回の旅行に自作のCDを持って行った。自作といっても自分の好きな音楽を集めたCDを作り、それを聞きながらテーバイの街を歩き回った。曲はグレン・グールドが弾くモーツアルトのピアノ・ソナタの緩徐楽章。主に第二楽章ばかりを集めたもの。モーツアルトは長調の曲は緩徐楽章の方が良いと思う。更に言えば、モーツアルトの作品は長調の曲よりも短調の曲の方が素晴らしい。ピアノ・ソナタの緩徐楽章ばかりを集めたこのCDは、私のお気に入りの一つである。これをヘッド・ホンで聞きながら、晩夏のギリシャ晴れの空の下を歩き回った。既にやっている方も多いと思いますが、お好きな音楽で旅行先を歩き回る、これはお薦めです。 |