4月15日(木) >>
福留 逆転100号
一撃で上原粉砕!!前夜のお返しだ
 中日・福留孝介右翼手(26)が逆転の3号2ランを放った。14日の巨人戦(東京ドーム)。1点差を追った8回2死三塁、巨人のエース・上原を沈めた。中日が4−3で競り勝ち、巨人の連勝を「5」で止めた。ドラマチックな逆転弾は福留のプロ入り通算100号本塁打。中日は巨人、広島と6勝5敗の首位で肩を並べ、2日ぶりのトップ復帰だ。

大満足・・・真の4番新たな旅立ち

第1号放った思い出の地で達成

飛んだ140メートル

 その瞬間、東京ドームは静まり返った。速さ、勢い、角度、すべてが文句なし。右翼席の最上部を直撃する驚異の140メートル弾。劇的な逆転2ランの主・福留が一塁を悠然と回ると、止まっていた時間が動き出したかのように竜党で埋まる左翼スタンドに歓声が沸き起こった。

 「初めてそれ(4番)らしいことができたかな。今年一番の当たりだったと思う」。本人自ら認定した完ぺき弾は中日球団史上22人目のプロ通算100号でもある。社会人の日本生命から入団して6年目。640試合目で放った“区切り”の一発は、8回2死三塁で飛び出した。

 「点を取られた後だったし、チャンスだったので気合が入ってた。前の打席で抑えられていたしね」

 4球目。前の第3打席で詰まらされたのと同じ速球を狙い打ち。追い付き、離され、追い付いては、また離される。どうしてもリードを奪えない試合展開だったが、一振りで形勢を逆転させた。

 「自分がまだ出遅れているのは事実。その分、考えながらやっているよ」

 春季キャンプで見舞われた悪夢の右ふくらはぎ痛。もう完治しているとはいえ、今も右足には小指大の「しこり」が残っている。一生消えないという“傷あと”を抱えながら4番の重責を果たそうともがき、ようやく竜の主砲と呼ぶにふさわしい仕事をやってのけた。

G戦3発7打点

 不振にあえいでいた福留が、今回の巨人2連戦で3本塁打を含む4安打で7打点。「状態が悪かったら、あんなに飛ばないよ。4番が打つと流れが良くなるな」と落合博満監督(50)。先の阪神との3連戦から、連日のようにアドバイスを送ってきた指揮官は自ら指名した新4番に「完全復活」のお墨付きを与える。

 「昨日の悪い流れも、福留の一発で断ち切ったな」

 前日(13日)のサヨナラ負けショックも、払しょくしたプロ通算100号。復活した福留のバットが、チームに運気をもたらす。 (寺西雅広)



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