日本航空石川、被災で一時移転 高校生600人が4月から山梨で学ぶ

能登半島地震

米沢信義
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 能登半島地震で被災した日本航空高校石川(石川県輪島市)を運営する学校法人「日本航空学園」は9日、山梨県甲斐市の日本航空高校山梨キャンパスの敷地内に仮校舎や寄宿舎を作り、4月から一時的に拠点を移すと発表した。全校生徒約600人が同キャンパスで学ぶことになる。

 同学園の梅沢重雄理事長が同日、山梨キャンパスで記者会見を開いて明らかにした。日本航空高校石川のある能登空港キャンパスでは、校舎が被災し、敷地内や周辺道路がひび割れ、通学ができない状態となった。教員も生徒も被災者となり、避難所で暮らす人もいるという。

 同高ではパイロットや整備士など、航空業界をめざす生徒が多いが、航空実習設備が整う山梨キャンパスなら、スムーズに教育活動を続けられることから、学校ごと一時避難することにした。仮設寄宿舎と仮設校舎を3月末までに山梨キャンパス内に建て、「日本航空高校石川」としてここで活動する。

 30~40人規模となる教職員の住居については、山梨県甲斐市や韮崎市から市営住宅や空き家の提供について協力を得られる見込みだという。

 拠点を移すまでは、自宅や避難所などにいる生徒に対し、今月15日からオンラインで授業を始める予定だ。

 梅沢理事長は「学びを止めないよう最大限の支援をする。仮設の施設なので使用は2、3年ではないかと思うが、その後、能登に戻るかはじっくり考えたい」と説明した。

運動部が全国大会で活躍中

 日本航空石川は、運動部が全国大会で活躍する。ラグビー部は昨年12月に全国高校大会に出場。野球部は秋季北信越地区大会で準決勝に進出し、春の選抜大会の出場校に選ばれる可能性がある。

 梅沢理事長は「野球などの部活動は4月を待たずに早めに山梨で合宿に入りたい。練習場所は、周辺自治体と相談したい」と話した。

 能登空港キャンパスに併設された日本航空大学校の学生約400人についても、4月から一部を山梨で受け入れるほかは、北海道の新千歳空港キャンパスに仮校舎や寄宿舎を整備し、大部分を一時移転する予定だ。(米沢信義)

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