重要シーン 出演自慢

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

オスカーへ! FROM広島 ドライブ・マイ・カー

 第94回米アカデミー賞で作品賞に日本映画で初めてノミネートされた「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)は、広島ロケに広島フィルム・コミッション(FC)が集めた延べ1200人が、通行人や観客らエキストラとして参加した。県立呉高等技術専門校副校長の松永俊一さん(59)もその一人。「アカデミー賞にノミネートされた作品に関われるなんて、周りの人全員に自慢します」と声を弾ませる。(木村ひとみ)

「ドライブ・マイ・カー」での演技を再現する松永さん(広島市中区で)
「ドライブ・マイ・カー」での演技を再現する松永さん(広島市中区で)

エキストラ 松永さん 顔映り「やった!」吉報心待ち

 若い頃から映画好きの松永さんは「目立ちたがり屋」で、2013年に県のプロモーションビデオに出たのを機に数々の映画に参加。オール広島ロケで昨年大ヒットした映画「 孤狼ころう の血 LEVEL2」にも刑務官役で出演した。

 「ドライブ・マイ・カー」はどんな作品かよく知らなかったが、募集が1人だったため、きっと「目立つシーンに違いない」と直感。条件は「優しいお父さん」で、広島FCによると、松永さんは応募者の中で一番優しそうだったという。松永さんは、服装もブランドなどのロゴがなく、普段着に見えるように気を使った。

 松永さんの役は、岡田将生さん演じる若手俳優・高槻耕史が起こした交通事故の被害者。撮影は20年11月、広島市南区の路上であり、運転席にスタンバイし、後部座席に潜むスタッフの合図で車外へ。「アドリブで会話して」という指示に、壊れた箇所をのぞき込んで「こりゃひどいのぅ」とつぶやき、「警察を呼びます」という岡田さんに「そうですか」と答えた。

 5回ほど撮り直し、約3時間で終了。撮影シーンがどこに使われるかは知らされず、昨年8月下旬の公開直後に映画館へ駆けつけ、「いつ出てくるか」とドキドキしながらスクリーンを見つめたという。

 撮影シーンは作品中盤で、後の大きな事件を予感させる重要な場面だった。セリフはカットされたが、岡田さんと並び、自らの顔も映っていた。松永さんは「映画の一部になれたような気がした。心の中で『やった』と叫んだ」と笑う。

 「ドライブ・マイ・カー」が先月、ゴールデン・グローブ賞の非英語映画賞を受賞した頃から、映画に出たことを周囲に話すと、感心されることが多くなった。「こんなすごい映画になるとは思っていなかったけれど、エキストラに応募して本当によかった」と松永さん。吉報を心待ちにしている。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2763187 0 ニュース 2022/02/16 05:00:00 2022/02/16 05:00:00 2022/02/16 05:00:00 事故被害者の演技を再現する松永さん(広島市中区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/02/20220216-OYTNI50000-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)