正教会の復活祭
2003年復活祭フォトレポート
4時間近くの祈りの最後は領聖し喜びを分かち合います
堂内の熱気で司祭は汗だく
「祭りの祭り、祝いの祝い」 復活祭
キリスト教でいちばん意義深く盛大なお祭りはイエス・キリストの降誕を祝うクリスマス(降誕祭)だと思っている方が多いのではないでしょうか? 歳末商戦の目玉として街中がクリスマス気分を盛り上げるのでそんな印象は当然かも知れません。また、カトリック教会やプロテスタント教会ではたしかに最大のイベントのようです。
しかし、初代教会から今にいたるまで、少なくとも、キリスト教の本来の姿を大切に守ってきた正教会にとって最大のお祭りは、古来「祭りの祭り、祝いの祝い」と呼ばれつづけてきた、キリストの死からのよみがえりを記念する復活祭です。キリストの復活、すなわち人が死の力から解放されたことこそ、キリスト教の告げる福音の核心だからです。
キリストの復活により、死は復活までの眠りに過ぎないものとなり、また私たちの生活は、復活したキリストと一致することによって、たえず新しくキリストに姿に造りかえられていくよみがえりの生活に変えられます。この喜びの分かち合いこそ復活祭です。
復活祭の赤たまごの祝福(今年)
復活祭までの長い大斎(おおものいみ・節制期間)の間、食べられなかった玉子やケーキが祝福されます。
伝統的な深夜の徹夜祈祷
復活祭の祈祷は深夜信徒が照明を最小限に落とした聖堂に集まり夜半課という祈りを終えるとローソクを手に行列を作り、教会の周囲を聖歌と歌いながら会ります。閉ざされた聖堂の門の前に戻ると、司祭が「ハリストス(キリスト)復活!」と高らかに宣言します。信徒は声をかぎりに「実に復活!」と応えます。門が開きます。すべての灯火が灯されシャンデリアが輝く堂内から光がこぼれるように溢れ出します。至聖所の扉はみな開け放たれ、花々で美しく飾られています。主や、生神女(神の母マリア)、聖人たちのイコンが私たちを迎えています。
「ハリストス死より復活し、死をもって死を滅ぼし、墓にある者に生命を賜えり」(復活の賛歌)と声を限りに歌いながら、人々は一つになってキリストの復活の光の中に突入します。後は、文字どおり「怒濤のような」喜びの聖歌が数時間歌い続けられ、最後に信徒は主のご聖体(パンとぶどう酒)を分かち合って喜びを確かめ合います。祈祷の途中で、主の復活の生命を象徴する赤く染められたたまごを祝福します。
キリストの復活の福音が世界中に宣べ伝えられることを表すために、各国語で福音(ヨハネ福音の冒頭)が読まれます。
名古屋教会では外国人信徒たちもいっしょに日本語、ギリシャ語、スラブ語、セルビア語、英語等で読まれます。今年はスペイン語が加わりました。(写真は今年の様子)
十字行は名古屋教会境内地は狭いので町内を一巡り
日曜の午後に行われた復活祭晩課に集まった、ロシヤ、ウクライナ、ルーマニヤのお嬢さんたち
お仕事の関係で徹夜のお祈りには参加できませんが、紅いたまごを大切にお持ち帰りになりました。