瀬戸内寂聴さんの本葬、細川元首相が弔辞「とにかく情熱的」

北村有樹子

 11月に99歳で亡くなった作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんの本葬が21日、京都市東山区天台宗寺院・妙法院で営まれた。親交があった約100人が参列した。

 細川護熙元首相が弔辞を述べ、「とにかく情熱的。それも、ちょっとおっちょこちょいで、おちゃめで、ミーハーなところが先生のいちばんの魅力でありました」と別れを惜しんだ。

 細川氏が2014年2月の東京都知事選に立候補して「脱原発」を訴えた際、応援に駆けつけたのが寂聴さんだった。「寒い中を何べんも応援に来ていただいたのですが、『この人はあんまり話はうまくないけど、お聞きの通り奥さんはとても上手なの』と、恥の上塗りを何べんもしていただきました」。細川氏はユーモアを交えて寂聴さんをしのんだ。

 天台宗の阿部昌宏(しょうこう)宗務総長も弔辞で「残してくださった作品や言葉を通じ、お人柄をしのび、思い出として大切に持ち続けたい。本日、ここでお別れの言葉を述べなくてはならなくなりましたことを、本当に寂しく残念なことと思っております」と述べた。

 寂聴さんは11月に京都市内の病院で死去し、密葬は近親者で営んだ。この日の本葬は、法名「燁文心院(ようぶんしんいん)大僧正(だいそうじょう)寂聴大法尼(だいほうに)」を贈った天台宗の兄弟子・杉谷義純(ぎじゅん)さんが門主を務める妙法院で、寂聴さんがかつて住職を務めた天台寺(岩手県二戸市)などが催した。茶道裏千家前家元の千玄室(せんげんしつ)さんや、伊吹文明・元衆院議長、西脇隆俊京都府知事らも参列した。

 寂聴さんにゆかりのある人たちが集まる「お別れの会」は来年、東京都内で催される予定。(北村有樹子)

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