現在位置は
です

本文です

「巨人、大鵬、卵焼き」名フレーズの始まりは…

元柏戸の鏡山親方がはさみを入れた大鵬の断髪式

 昭和を代表する大横綱が逝った。元大鵬の納谷幸喜(なやこうき)さんが19日、72歳で亡くなった。

 「巨人、大鵬、卵焼き」という言葉に象徴される高度経済成長時代の主役の一人。その活躍に熱い声援を送った人たちからは、「一つの時代が終わった」などと別れを惜しむ声が上がった。

 「まさに昭和は遠くなりにけり、という感じだ」

 大横綱の死去をこう惜しむのは、作家の堺屋太一さん(77)。堺屋さんによると、通産省に勤務していた1960年代前半、新聞記者らに「日本の高度成長が国民に支持されるのは、子供が巨人、大鵬、卵焼きを好きなのと一緒だ」と答えたのが、名フレーズの始まりだったという。

 弁当のおかずで卵焼きが定番だった時代。娯楽の代表格は野球と相撲だった。大鵬の名を挙げたのは、文句なしに強く、子供たちに愛された名横綱だったからだった。

 元NHK大相撲放送アナウンサーで相撲評論家の杉山邦博さん(82)は「戦後の荒廃の時代が終わりを告げ、右肩上がりにぐいぐい進んでいく高度経済成長時代の到来を象徴する、特筆すべき力士だった」と振り返る。努力と猛げいこで32回もの優勝を積み上げた姿が、日本人に未来を信じて前に進む勇気を与えたのだという。相撲を見続けてきた杉山さんは「相撲界最大にして最高の宝物を失った」と残念がった。

2013年1月20日15時17分  読売新聞)

 ◇スポーツ写真 ◇大相撲写真特集  ◇最新場所の取組結果

 ピックアップ

トップ
現在位置は
です