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 大阪維新の会(代表=橋下徹大阪市長)は、大阪都構想で大阪市を分割して設ける五つの特別区のうち、大阪湾に面する西側の名称を「湾岸区」とする方針を固めた。原案では「西区」だったが、特色を出すために修正。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致など経済成長を引っ張る地域とする狙いがある。

 他の4区は原案通り、「東区」「南区」「北区」「中央区」とする。都構想の案をつくる法定協議会で近く、提案する。

 湾岸区は現在の西淀川、此花、港、大正各区と住之江区の一部が移行する。年間1千万人超が訪れるユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)があり、此花区の人工島「夢洲(ゆめしま)」はIRの誘致候補地となる。橋下氏も「東洋のベニス(ベネチア)を目指す」と意気込む地域だ。

 一方で、アジア太平洋トレードセンター(ATC)や旧大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC)など大阪市による大型開発が失敗した負のイメージもある。維新幹部は「英語で言えば『ベイサイド』。国際的にもアピールできる」と、都構想への期待感につなげたい考え。拠点となる区役所はATCに置くことも検討している。(宮崎勇作、井上裕一)