BSトピックス SPECIAL COLUMN (コラム)

ドラマ

2015年07月29日

これまでにない「参勤交代ロードムービー時代劇」をお楽しみください! ~BS時代劇「一路」~

150729_ichiro01.jpg7月31日(金)からBS時代劇「一路」の放送が連続9回で始まります。
舞台は幕末。突如、西美濃(岐阜県)から江戸までの参勤交代行列の差配役<道中御供頭(どうちゅうおともがしら)>を命じられた若侍、小野寺一路(いちろ)が、道中のトラブルや、お家乗っ取りの陰謀に立ち向かっていく物語です。原作は、時代小説の名手としても名高い・浅田次郎氏

150729_ichiro02.jpg主演は、時代劇初出演の永山絢斗(けんと)さん。実は時代劇初挑戦! 時代劇特有の着物や、立ち居振る舞い(所作)、殺陣(たて…いわゆるチャンバラ)など、慣れない事や初体験が多い撮影でした。しかし、完成したドラマでは、抜群のセンスと、独特の存在感が光る、それはそれは凛(りん)とした堂々たる若侍ぶり
新たなる時代劇スター誕生の瞬間を、ぜひご覧ください!

参勤交代の道中を舞台にしたロードムービー時代劇!
150729_ichiro03.jpgさて、物語の舞台となるのは、蒔坂(まいさか)家の「参勤交代」行列が通る「中山道」です。主人公・一路に主家から課せられた命令は、道中御供頭として参勤交代行列を率い、幕府が定めた12日以内に主君、蒔坂左京大夫とその一行を無事江戸まで到着させること。これまで、テレビや映画で、時代劇ドラマは数多く制作されて来ましたが、案外、「参勤交代」の行列そのものを舞台にしたロードムービーは、ありそうでいて、その実ほとんどありませんでした。

150729_ichiro05.jpg旗本なのに、参勤交代?
一路が仕える旗本・蒔坂家は、石高は7500石と一万石に満たず大名ではないものの、江戸時代のはるか前から代々、西美濃・田名部(たなぶ)の領主であった家柄で、大名並みの「交代寄合(こうたいよりあい)」という特別な家格でした。交代寄合は、旗本ながらも大名と同じように領地に陣屋(領主の居館。小規模な城の様な屋敷)を構え、1年おきに江戸と国元で暮らす「参勤交代」を幕府から命じられていました。(ちなみに、蒔坂家と、蒔坂家がある田名部は、原作の浅田次郎先生が創作された架空の家、架空の土地です)
西美濃・田名部は、今の岐阜県大垣市や垂井町の近くという設定。現代なら、新幹線ひかり号に乗れば、岐阜羽島駅から東京駅まで、2時間弱であっという間についてしまいます。しかし江戸時代は、すべて徒歩での旅。一路たち蒔坂家は、険しい内陸の山道を貫く中山道を通り、12日間で江戸参府をするように定められていました。

150729_ichiro06.jpg東海道ではなく中山道
中山道は、五街道の一つで、京都と江戸を結ぶ重要な街道でした。京都~江戸間の旅では、海沿いの平地を通り、中山道よりも距離も短い東海道を通る旅人の方が多く、現在でも、東海道とほぼ同じルートを通る国道1号線や、東名高速、東海道新幹線は日本最大の大動脈ですね。
しかし、江戸時代の東海道には、江戸を守る軍事上の理由から、「大井川」など、幕府から橋を架ける事を許されない川がありました。その為、大雨で川が増水し水位があがると、「川止め」となり水位が引くまで街道が通行止めになる事がしばしばあったのです。
一方、中山道は、木曽路(岐阜県)、諏訪、和田峠(長野県)、碓氷峠(長野県/群馬県)など、険しく高低差のある山中を通る道で、宿場も東海道の53に対して、69もありました。

150729_ichiro04.jpg中山道の宿場町や道中で起こるさまざまな事件に、険しい山道を共に乗り越えながら成長していく一路たち参勤行列のチームが、いかに挑み、斬(き)り抜けていくか。
一路たち一行とともに、中山道を旅する気持ちになって楽しめる、ロードムービー時代劇「一路」、どうぞお楽しみに!

放送予定
BS時代劇 「一路」 (連続9回)
BSプレミアム 毎週金曜 午後8時~ 
<第1回放送>
放送:7月31日(金)午後8時~8時43分 
再放送:8月2日(日)午後6時45分~7時28分
<出演>
永山絢斗 渡辺大 藤本隆宏 梶原善 忍成修吾 松浦雅 上條恒彦 ミムラ 石黒賢 佐野史郎、 ほかの皆さん
 

山田尚史

【コラム執筆者】
山田尚史

松竹株式会社 映像企画部テレビ企画室 プロデューサー。「雲霧仁左衛門(主演:中井貴一)」、「神谷玄次郎捕物控(主演:高橋光臣)」シリーズ、などをプロデューサーとして担当。

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