大阪府知事選で公明党幹部は26日、推薦を求めている弁護士でタレントの橋下徹氏(38)の推薦、支持はしない方針を明らかにした。党本部の正式対応としては「自主投票」の形。ただ地元組織の対応は大阪府本部の判断に委ねる考えで、大阪府議団は「支持」を決めた。
25日に公明党府議団と話し合い、高齢者向けの方針を“加筆”するなど修正公約案を示してまで、推薦を熱望した橋下氏に、クリスマスのプレゼントは届かなかった。
この日、公明党府議団総会では「党本部には推薦を求めない」と全会一致で決定。府本部代表の白浜一良参院議員も了承した。
推薦見送りの理由について野田昌洋幹事長は「核武装論など、今までの発言に支持者から反発があった」とテレビで「核武装すべき」などの発言をしてきた橋下氏への反発が大きかったことを説明。橋下氏は25日に「(あれは)バラエティー番組での発言で世間ウケしないといけなかった」などと釈明したが、手遅れだった。
ただ府議団は「府政改革に取り組もうとする熱意を感じた」として、橋下氏を「支持」することとした。
自民党は大阪府連が23日に推薦を決め、党本部も正式決定する見通し。公明党が「府議団の支持」にとどめた形だが、橋下氏は芸能事務所を通じて「支持していただき公明党府議団には大変感謝している」とコメントした。ただ公明党の組織力に期待していた橋下氏の選挙戦略は見直しを求められそうだ。
同知事選には大阪大大学院教授の熊谷貞俊氏(62)=民主、国民新党推薦=と、弁護士梅田章二氏(57)=共産党推薦=も出馬表明している。