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待望のファーストアルバム好評発売中!! 戸松 遥ロングインタビュー!!

とてもカラフルな彩り。その眩しすぎる輝き。戸松 遥の1stアルバム「Rainbow Road」には、おもちゃ箱のような楽しさがいっぱい詰っている。20歳を迎え、ますます進化していく彼女に、さまざまな表情をもつ全14トラックについてたっぷりと語ってもらった。
タイトルに“虹”という言葉は必ず入れたかったんです
待望の1stアルバム『Rainbow Road』がついにリリース。とてもカラフルな仕上がりになりましたね。
戸松 おもちゃ箱のような、さまざまなジャンルの曲が入っているんです。いろいろ挑戦させていただきました。「ちゃんと歌えるかな?」って、探り探りのところもあったんですけど(笑)。時間をかけて、すごく丁寧に、満足のいくまで歌わせていただきました。
いろんな表情を見せてくれる戸松さんがいて、すごく楽しめますよね。
戸松 自分の特徴のひとつなんですけど、歌によって声質が変わってしまう傾向にあるんです。それを活かして今回のアルバムでは、なにひとつかぶることのない、14パターンの戸松 遥を見せようということで……。ほんと引き出しが増えました。
声のチョイスなどで、制作サイドのイメージとブレることはなかったんですか?
戸松 歌って正解がないんですよね、多分(笑)。ただ、どれも戸松 遥として歌っているし、どの声でも私なんです。だから、私がそう思うんだったらそれが正解みたいな感じでしたね。私は素直に歌詞とメロディから受け止めたものを表現してるので、それにズレはなかったですね。ただ、アップテンポの曲だと、つい自分の振り幅からハズれてしまって、ものすごくブッ飛んじゃうんです。
何かのキャラクターみたいになっちゃって(笑)。
戸松 これは戸松 遥じゃない気がする、みたいな(笑)。だから「戸松 遥としての枠の中で、ギリギリOKのところではっちゃけてほしい」とはよく言われました。
そんなふうにして、まさに虹のように、いろんな色が詰まったアルバムが完成したわけですね。
戸松 なのでアルバム・タイトルに “レインボウ”とか“虹”という言葉は必ず入れたかったんです。ただそれだけじゃなくて、次に繋がるものにしたいという想いもありました。
それで“ロード”という言葉を合わせて?
戸松 “七色の道”ってすごくいいなって。いろんな道があって、でもそれはずっと続いていて……。すごく前向きなんです。私もポジティブシンキングなので(笑)。
じゃあ、そんな前向きな戸松さんが歌った楽曲を、収録順に掘り下げていきたいと思います。まずは「自己中男」から。
戸松 これは歌詞がすごく面白いんです。真面目に歌っても面白くないと思ったので、遊びました。主人公は、自己中男が好きな、ツンデレのボクっ子。男の子っぽいイメージもあったので、声も少年のような感じです。
戸松さんにも自己中的な部分ってありますか?
戸松 あはは、私はすごい自己中だと思います。……っていうか自己中っていうと響きが悪いですけど(笑)。マイペースなんです。周りに左右されず自分の人生を歩んでいきますみたいな……。でも、この曲では主人公の方に感情移入しましたね。
「ああ、いるいる、こんな男の子」って思いながら?
戸松 「あなたに振り回されてみたいわ」って(笑)。「私の苦労も知らないで」っていう気持ちも込めて、ちょっとムッとしたニュアンスも入れましたね。
『かんなぎ』の主題歌だった「motto☆派手にね!」では、アイドル色を全面に押し出してますね。
戸松 「80年代アイドルをモチーフにして歌ってください」っていう指示だったんですよ。私は80年代アイドルっていうのがよくわからなくて。当時の映像を見せていただいて、見よう見まねで、自分流にちょっとずつアレンジしていって、出来上がったのがこの歌い方だったりするんです。
“シビれちゃう……” のフレーズに感電してしまった人も多いんでは?
戸松 どうなんでしょう(笑)。これは普通の音程から、やりすぎだってものまで、すごい何パターンも録ったんですよ。
「Circle」はウキウキ感があって。
戸松 「今日はこんなことがありましたよ」っていうシンプルな歌詞なんですけど、タイトル通り、輪っかのようなイメージが私のなかにあって。日々は繋がっているというか……。
その中でいろんな経験をして、いろんなことに気づき、成長していくわけですね。
戸松 だから前向きになれるし、なんか月曜日から順番に歌うのが楽しかった。サビに向かって盛り上がるところもすごく好きで、気に入ってます。
温かいメロディラインが印象的な「七色みちしるべ」は、なんと戸松さん自身が作曲をしていますね。
戸松 アルバムの制作が決まったときに「何かやりたいことはありますか?」って聞かれたんです。ちょうど作曲にはまっていて、趣味程度なものだったんですけど5~6曲ストックがあったんです。聴いていただけたらうれしいですということで出したなかに「七色みちしるべ」の曲があったんです。
見事に採用と(笑)。
戸松 そうなんですけど、そのときは作曲ソフトも使ってるわけではなく、アカペラで歌っている、それはひどい原曲だったんですよ。私がきっとこんなふうに仕上げたいんだろうなっていう意図を汲んでいただいたのか、素敵なアレンジと歌詞が付いて、超いい曲になりました。
歌詞についてはどんな要望を?
戸松 曲を作ったときに、青空と太陽、そして草木に囲まれたひたすら続く長い砂利道を歩いていく、そんなイメージがあったんです。歌も無理矢理聴いてよっていうんじゃなくて、自然と口ずさむような感じで。それにぴったりな歌詞にしていただきました。等身大のものにしたかったんです。
20歳の戸松さんが自然体で歌えるものにということですね。
戸松 だから、あえてかわいい言葉は使ってないし、子供っぽい要素はなしにしたんですよ。聴いていて元気になれる。自分で曲を作ったということもあって、思い入れがあって、愛情の注ぎ方もまた違うんですよね。
「七色みちしるべ」は、アルバム・タイトルともリンクしてるんですよね?
戸松 そうですね。「Rainbow Road」というのは、もともと「七色みちしるべ」のタイトル候補だったんです。いちばんナチュラルに力を抜いて歌っているこの曲が、アルバムの基準というか、ここを中心にしていろんな方向に、いろんな歌が拡がっているというのはありますね。
最新シングル「Girls, Be Ambitious.」についてはいかがですか?
戸松 自分のなかでいちばん元気な部分を引っ張り出してます。エネルギッシュですね。
特に女の子の共感指数が大きいかと思われますが(笑)。
戸松 女の子の友情、絆について歌ってますからね。ここまで女の子目線で歌わせていただいたのは初めてでした。等身大の自分で歌えたので、私と同年代の女の子には共感できるところがたくさんあると思いますね
ミュージッククリップは、女の子3人のプチ冒険(笑)。
戸松 母校に忍び込んで、自分たちが学生の頃に描いていた想い出の絵を探そうっていう……。ところどころに懐かしい描写があって思い出に浸れるんですよ。
リアルですよね。
戸松 いろんなシーンがほんとにそうですよね。今までのミュージッククリップと違って、起承転結あるものなので、ショートドラマを見てるような感じですよね。
そんな「Girls, Be Ambitious.」でテンションを高めた後は「REWIND」。雰囲気が変わりますね。
戸松 おしゃれですよね。自分の人生をカセットテープにたとえるなんて面白いなと思って。
ここの歌詞にあるように人生巻き戻したいって思うことってあります?
戸松 私は3秒前に言ったことを後悔して、今のナシって撤回することがよくあります(笑)。そういう失敗があるから今の自分がいるし、いやなことがあったとしても、それはいつかは自分の人生の糧になるんだなって、この歌に歌って思うようになりました。後ろは振り返りません。
しっとり仕様の戸松さんもいいなって思わせてくれるのが「記憶の景色」です。
戸松 星がきれいな冬の夜、息が白くなるくらい寒い夜に聴きたいなって。
Aメロのヴォーカルの質感なんてまさにそんな感じで。
戸松 歌詞自体は温かいし “オレンジに染まる坂”とか情景がすごく浮かぶんですよ。独り言っぽい感じなんですけど、そばに誰かがいて、なんか寂しくない気がする。人間味がある歌なんですよね。
かと思えばあえて人間味を排除したような歌もあって。
戸松 続く「産巣日の時」は苦労しました。神様の歌に近い(笑)。祝詞のような難しい言葉が連なっていて、へんに感情とかニュアンスとかを歌の中に入れてしまうと、戸松 遥が見えてしまうので……。それはこの歌に関してはいらないなって。
これを歌っているのは誰なんだって(笑)。
戸松 ちょっと冷たさすら感じさせる歌声でというディレクションもいただいてたんです。かといっても棒読みでもいけないので、神様としての貫禄みたいなものも入れつつ、ですね。
逆にデビュー曲「naissanceネッサンス」の、初々しいことといったら(笑)。
戸松 レコーディング自体にも慣れていなくて「わ~、どうしたらいいんだろう、アワアワ」みたいな感じでしたね。18歳の私が大人ぶって背伸びして歌っているのが、すごくいいなって思うんですよ。
そのときにしか出せないものってありますからね。
戸松 だからもう今はこの歌い方はできないですね。次の「RAINBOOW」は、その「naissance」のカップリングの候補だったんです。当時は全然歌えなくて、リズムがズレてることすらわかってなかった。
で、今回見事リベンジを。
戸松 気づいたらすごく楽に歌えてました。歌に、リズムに、乗りきったときの快感みたいなものを初めて感じました。それは「RAINBOOW」を歌ったからこそ得られたもので、歌の楽しさ、難しさを教えてもらいました。
「Counter Attack」でのロックな戸松さんも斬新でした。
戸松 「おまえら、ついてこいよ!」っていう、上目線で歌ってほしいということでした。“諸君”とか言っちゃってるし(笑)、口調も面白いんですよね。ロックをほとんど歌ったことがないので緊張したんですけど、がんばって、強気で、弱い自分を見せない女の子を演じさせていただきました。
新しい一面ということでは「未来時計」もそうですね。
戸松 戸松 遥として見せることのなかった表情というか、今までにないくらい大人っぽく歌わせていただきました。曲調はバラードでしっとりしているんですが「未来に向かって進んでいくよ」っていう前向きさがいいんですよ。これはほんとたくさんの人に聴いてほしいですね。私の新境地です。
「Star☆Tripper」はテクノ風味で、いろんな面で遊び心が詰まった、アルバムならではの曲ですね。
戸松 キャラソンでも歌ったこともないような、スぺーシーなロボット曲(笑)。レコーディング中はどこを見ているかわからないような真顔でずっといました。
“アンドロイド・トマツ”で? 「この子、なに考えてんの?」みたいな(笑)。
戸松 ほんとそんな感じです。でも周りに面白い音がいっぱい入っているので、自分の声でそれを妨げないように意識しました。メロディと一体感がとれたらいいなと思って、あえて感情は入れずに。
ラストは温かい余韻を残す「こいのうた」。柔らかいヴォーカルで、心をほっこりとさせてもらいました。
戸松 ラストは「産巣日の時」なのかなって思ってたので意外でした。でも全体を通して聴くと、乙女チックな「こいのうた」でよかったなって。
優しい気持ちになれますもんね。
戸松 癒されるような(笑)。最後は微笑むような気持ちでこのアルバムを締めくくってほしいと思います。
ブックレットの写真でも曲ごとにヴィジュアルを変えてるし、ほんと14パターンの戸松さんを堪能できました。
戸松 私はイメージを固められるのが好きじゃないんです(笑)。そういう意味でも、このアルバムにはいろんなものが詰め込まれていて、でも、それは全部戸松 遥なんですよっていうことはアピールできたかなって。それと「naissance」でデビューしてから、この2年で変わった戸松 遥を感じていただけるものでもあるので、ぜひ聴いてください!
Text/幡野 敬
発売元:ミュージックレイン
販売元:ソニー・ミュージックディストリビューション
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