東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 12月20日の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

鎌倉市「通販サイト」開設前に中止

 鎌倉市の松尾崇市長は十九日、開設が延期されたままになっている地元名産品の通信販売サイト事業の中止を決め、市議会総務委員会に報告した。着手後に事業を途中で中止するのは、極めて異例。委託契約の妥当性が疑問視されていた中での中止で今後、事業を進めた松尾市長らの責任が問われそうだ。

 通販サイト事業は、市が九月、佐賀県武雄市と民間企業二社でつくる「F&Bホールディングス企業連合」(福岡市)に七百二十万円で運営を委託する契約を締結。国の緊急雇用事業の全額補助で、九月から二人を雇用して事業が始まった。

 ところが、自治体間で支払う義務がない消費税をめぐり、総務委で委託契約の疑問点が指摘されて紛糾。十月三十一日に予定していたサイト開設を延期していた。契約では、消費税約三十四万円の分配が明確になっておらず、総務委で中沢克之委員長が、武雄市が消費税を受け取らない根拠となる企業連合への出資比率、分配比率についての資料を要求。市は武雄市に照会したが、回答がないまま中止となった。

 松尾市長は「鎌倉の中小、零細業者も参加して名産品を発信できる事業と判断し、担当部署の職員と武雄市から話を聞いて進めてきた。ただ、この問題で議会の審議が滞り、これ以上、時間をかけられないため、断念せざるをえなかった」と中止の理由を説明した。

 事業中止によって、鎌倉市と企業連合との間で、委託契約の解除や損害賠償などの協議が必要になる。松尾市長は「契約相手ときちんと話をしていきたい」と話している。

 市によると、企業連合は全国十七自治体と同様の通販サイト運営の委託契約を結んでおり、鎌倉市の事業中止が波及する可能性も出ている。 (斎藤裕仁)

 

この記事を印刷する

PR情報





おすすめサイト

ads by adingo