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被害者の姉「とても名前は公表できません」

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」の事件で入所していた弟を亡くした女性のメッセージが6日、東京都内で障害を持つ当事者らが開いた追悼集会で読み上げられた。被害者が匿名で発表されていることについて、女性は「この国には優生思想的な風潮が根強くあり、すべての命は存在するだけで価値があるということが当たり前ではないので、とても公表することはできません」と、複雑な思いを明かした。

     メッセージによると、女性は親から弟の障害を「隠すな」と教えられて育ったが、事件後は「名前を絶対公表しないで」と言われたという。「心ないことを言ってくる人もいるでしょう」と影響を心配し「今はただ静かに冥福を祈りたいです。事件の加害者と同じ思想を持つ人間がどれだけ潜んでいるのだろうと考えると怖くなります」と結んだ。

     集会には約200人が参加。札幌など国内3カ所をインターネットテレビでつなぎ、寄せられた約450通のメッセージの中から、ケネディ米駐日大使らの声が紹介された。

     集会の呼び掛け人の一人で、脳性まひの障害を持つ熊谷晋一郎・東京大准教授は「障害の有無にかかわらず同じ人権がある。今回の事件でそれが揺らいだような不安を持った人は少なくない。立場を超えて連帯を持つ場が必要だ」と語った。【黒田阿紗子】

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