「スーパークレイジー君」に辞職勧告決議 宮崎市議会、全員が賛成

石川雅彦 平塚学
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 不同意性交等致傷の疑いで逮捕された宮崎市議の「スーパークレイジー君」こと西本誠容疑者(37)に対し、宮崎市議会は11日の本会議で辞職勧告決議案を全会一致で可決した。決議に法的拘束力はない。

 同日の9月定例会本会議で、西本容疑者、議長、副議長を除く37人の市議名で辞職勧告決議案を提出。採決では、37人全員が賛成した。議会事務局は、今回の決議を西本容疑者の弁護士を通じ本人に伝える。

 決議では、①現職市議が逮捕され、宮崎市議会や宮崎市に対する市民の信頼を著しく失墜させている②宮崎市議には、司法の決着とは別に、政治的、道義的な責任が厳しく求められている③市民を巻き込んで混乱を招いた責任は極めて重く、市議の職にとどまることは市民感情から決して許されるものではない――などとしている。

 宮崎県警の発表によると、西本容疑者は3日午前4時ごろ、宮崎市内で、知人の30代女性を宿泊施設に腕を引っぱるなどして無理やり連れ込み性的暴行をし、全身打撲など約1週間のけがを負わせた疑いで6日に逮捕された。

 西本容疑者は逮捕容疑を否認しているが、弁護士を通じて「女性を傷つけてしまった。誠実に向き合いたい」とし、「多くの方々にご迷惑をかけた。申し訳ない」と謝罪の気持ちを表明している。今回の辞職勧告決議を受け弁護士は11日、西本容疑者が議員を辞職しない意向を示していることを明かした。

 西本容疑者は2022年12月に故郷の宮崎県知事選に挑んで敗れたが、今年4月の宮崎市議選では2位の票を集め当選していた。(石川雅彦、平塚学)

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    江川紹子
    (ジャーナリスト・神奈川大学特任教授)
    2023年9月11日16時1分 投稿
    【視点】

    宮崎市議の皆さんの頭には、「無罪推定の原則」は思い浮かばなかったのでしょうか。  何らかの犯罪の嫌疑をかけられても、裁判で有罪が確定するまでは、無罪の推定が働き、犯罪者として扱われない、という原則です。  それでも、本人が認めていること

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