携帯電話上のあらゆるオーディオソースを自在に加工可能
マルチメディア対応携帯電話に最適な高音質・高機能オーディオプロセッサーLSI
携帯電話のマルチメディア化にともない、着信メロディだけでなく、音楽配信、ビデオ配信、ラジオやアナログ・デジタルテレビ放送の受信等のアプリケーションが登場し、携帯電話上で取り扱われる「音」が今後ますます多様化する方向にあります。こうした動向を背景にヤマハは今回、これらの音を自在に加工・再生するための高音質・高機能なオーディオプロセッサーとして『MA-7(YAMAHA AudioEngineTM)』シリーズを開発しました。
『YMU786(MA-7)』は、AudioEngineTMシリーズのベースとなるオーディオLSIです。オーディオプロセッサーと、ミキサー、ヘッドフォンアンプ、スピーカーアンプなどアナログブロックもワンチップに集積しています。
- 多機能ミキサー
音楽配信、着信メロディ、ゲーム、ムービー、ラジオ、テレビ放送、Bluetooth入出力など、多様化するサウンドソースを総合的に管理します。
- スピーカー/ヘッドフォン双方の環境に対応するBinaural Path(バイノーラルパス)
プリプロセスされたコンテンツの場合、スピーカーとヘッドフォンでは出力する際の音響特性が異なるため、従来はヘッドフォン用とスピーカー用で二種類のコンテンツを用意する必要がありました。MA-7では、Binaural(バイノーラル)モードでコンテンツを配信することで、出力環境に合わせて自動的にpathが切り替えられるため、制作コンテンツは1種類で済みます。
- 筐体の音響特性に合わせてパラメーターをカスタマイズ可能
10種類のクロストークキャンセルパラメーターを同梱するほか、高音質化設計に関するガイドラインやリファレンスコンテンツを用意しています。
- 高機能ゲームサウンドにむけてJavaやBREWなどの各種プログラミング環境に適応
MA-7は高機能なプログラミング API を実装しています。さらに、このAPIをJavaやBREWなどの環境で活用するための接続性検証やSDKの環境構築などを、プログラミング環境ベンダと協力して行い、ゲームサウンド制作に向けたトータルサポートを提供します。楽曲制作を行うためのオーサリングツールも提供し、チップだけでなく、ドライバソフトウェア、各種ツールなどの総合力で、高品質なモバイルオーディオ環境を実現いたします。
<注>
- FM(Frequency Modulation)音源
周波数変調を利用した音源方式で、電子楽器やコンピュータミュージックなどで幅広い実績があります。自然楽器の合成音から電子音まで自由な音作りが可能です。
- WaveTable音源
メモリに格納された音色データを読み出し、再合成して音を出す音源方式です。もともと実際の音を録音して音色を作るためリアルな音が出せる反面、音質を向上させるためには大量の波形データを必要とします。
- AL(Analog Lite)音源
ローパスフィルタの原理で音色を加工し、表現力豊かなサウンドを得る音源方式です。MA-5で追加されたAL音源は、MA-7において全てのFM音源・WaveTable音源に組み込まれ、拡張 FM/WaveTable音源方式となりました。
- SMAF (Synthetic music Mobile Application Format)
「SMAF」は、携帯電話をプラットフォームとして、音や画像を組み合わせたマルチメディアコンテンツのために、当社が開発し公開しているファイルフォーマットです。音楽データのほか、テキストや画像(静止画、動画)、デジタル音声のデータ(PCM/ADPCMなど)も同時に扱うことができます。メロディ着信音・声の着信音はもとより、カラオケ、グリーティングメッセージ、ゲームなど、音楽とテキスト、画像が一体となったさまざまな形態のサービスやコンテンツへの応用が可能です。
※文中の商品名、社名等は当社や各社の商標または登録商標です。