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津軽の風習「八日そば」で無病息災に

「八日そば」に向け、丁寧に津軽そばを作るアキモト製麺の社員

 旧暦12月8日の18日は「八日そば」。津軽地方ではこの日、一年の無病息災を願って津軽そばを食べる風習がある。弘前市馬屋町の老舗・アキモト製麺(秋元清渉社長)は、「八日そば」を知らせる張り紙でPRしながら、藩政時代から伝わるとされる地域の習わしの普及に努めている。
 津軽地方では昔、事納めの薬師講に当たる旧暦12月8日は、農家らが1年分の医薬品代をまとめて医者に支払う日とされていた。その際に医者が、そば切りに「病を切る」「悪縁を切る」といった意味を込め、人々に津軽そばを振る舞ったとされる。以来、年に1度、八日そばとして津軽そばを食べる風習が根付いてきた。
 「近ごろは八日そばは下火になってしまったが、昭和の時代は年越しそばの3倍は売れた」と振り返る秋元社長。一年に1日しかない日のため「どれくらい出るのか分からない」と手探りながらも、商品の「津軽そば」や、1888(明治21)年創業以来の高い技術を結集した「幻のそば」作りに励み、「津軽に伝わる大切な食文化の一つをなくしたくはない」と郷土の風習を次世代につなげていきたい考えだ。

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2024/1/18 木曜日のニュース一覧