【テンピ(米アリゾナ州)2月28日=米沢秀明】エンゼルスの松井秀喜外野手(35)の新ニックネームが、「ザ・クワイエット・アサシン(静かな殺し屋)」に決定した。同僚のトリイ・ハンター外野手(34)が命名したもので、“ゴジラ”とは対照的にクールなイメージの愛称となった。
「松井は打撃練習で右翼フェンスの奥に止めてある俺の愛車のベントレーを狙っている。だから止める場所を変えたが、また俺の車の方へ打ってくる。恐ろしいスナイパー(狙撃手)だ」
ハンターは、強打に加え、昨年まで9年連続でゴールドグラブ賞を受賞している大リーグ屈指の外野手で、今季は松井と中軸を打つ。派手なパフォーマンスと明るい性格で人気があり、穏やかな性格の松井のことが大好き。自身のブログで、ロッカーが隣の松井に対する思いをつづっている。
「外野で松井と話をするのは楽しかった。日本球界の伝説で、巨人のゴジラと一緒にプレーできることに興奮している。彼は今はエンゼルスの一員だ。きっとここを気に入ってくれると思う」
塀際での攻守が売り物で、「スパイダーマン」と呼ばれているハンター。相棒の松井に、新天地での新しいニックネームを授けた。
「これから俺は彼のことを“静かな殺し屋”と呼ぶことにしようと思う。ヤンキース時代に本当に多くの適時打を見せつけられてきた。外野で彼の打球を追うのはもう飽き飽きだ」
米ゴルフツアーで、スマイルを振りまきながら通算3勝をあげた丸山茂樹は「笑顔の殺し屋(スマイリン・アサシン)」と呼ばれた。松井は、もの静かだけど、ここ一番で仕事をする選手と見られている。
ハンターは松井の打撃技術についても、バランスが良く、滑らかで無駄のないスイングと高く評価。左投手に強い理由もそこにあると分析している。早くも名コンビぶりを見せているハンターと松井の3番、4番が、どんなドラマをつくり出すか。