▲「北近畿」を改称した特急「こうのとり」と、特急「きのさき」に充当されるJR西日本のニューフェース287系。新大阪・京都方先頭車に設けられた霜取り用のパンタグラフが印象的。'10.11.26 近畿車輛 P:RM(新井 正)
クリックするとポップアップします。
来年春から新大阪・京都と城崎温泉・天橋立・東舞鶴などを結ぶ特急電車として営業運転入りするJR西日本の新型特急電車287系の第一陣が完成、先日メーカーの近畿車輛において報道公開が行われました。
▲初登場となる形式区分「クモロハ」を名乗る城崎温泉・天橋立・東舞鶴方の1号車。ちなみにサフィックスは「M'sc」となる。'10.11.26 近畿車輛 P:RM(新井 正)
クリックするとポップアップします。
この287系は新大阪~城崎温泉間を結ぶ特急「こうのとり」、京都~城崎温泉間を結ぶ特急「きのさき」に運用されるもので、福知山電車区の183系の後継車となります。ちなみに特急「こうのとり」は現在の「北近畿」を改名するもので、地元からの強い要望と、コウノトリを保護・育成する取り組みに、JR西日本として応援しようという思いが込められているそうです。
▲分割・併合に配慮された電気連結器とHIDの前照灯(左)。右はバリアフリー対策がなされた出入口。'10.11.26 近畿車輛 P:RM(新井 正)
クリックするとポップアップします。
エクステリアデザインは683系4000番代を踏襲しつつ、さらなる安全性向上のために、オフセット衝突対策や、衝撃吸収構造の採用など車体の構造強化が図られています。カラーリングは白とグレーを基調に、沿線の緑豊かな地域に映え、在来の「北近畿」でも用いられている暖色系のラインが目を引きます。客室設備は基本的に「サンダーバード」のそれが踏襲されているものの、1号車がグリーン席と普通席の合造構造の電動制御車、つまり「クモロハ」となったことが注目されます。もちろんバリアフリー対応も最新の技術を駆使して施されており、車イス対応トイレや多目的室の設置はもとより、女性専用トイレも設置されています。
▲クモロハ286形の車内、グリーン室(右側)と普通室(左側)の間仕切り部。'10.11.26 近畿車輛 P:RM(新井 正)
クリックするとポップアップします。
▲1号車運転室後位に設けられたグリーン室(左)とシートピッチが拡大された普通席(右)。グリーン席の全座席および普通車の車輌最前部・最後部座席にモバイル用コンセントが設けられている。'10.11.26 近畿車輛 P:RM(新井 正)
クリックするとポップアップします。
▲2号車と6号車の新大阪・京都方に設けられた車椅子対応トイレと洗面所。3号車と5号車には女性専用トイレも設けられている。'10.11.26 近畿車輛 P:RM(新井 正)
クリックするとポップアップします。
車輌性能は225系の基本システムをベースに、走行システムは225系・321系などをレベルアップしたものとなっており、最高運転速度は130㎞/hと発表されています。
▲クモロハ286-1の運転台。このクモロハ286形のみ非貫通構造となっており、貫通路は閉鎖されている。'10.11.26 近畿車輛 P:RM(新井 正)
クリックするとポップアップします。
▲5号車クモハ286-1(奥)と4号車クモハ287-1(手前)の併結状況。4号車クモハ287-1もパンタグラフを備える。'10.11.26 近畿車輛 P:RM(新井 正)
クリックするとポップアップします。
基本編成は城崎温泉・天橋立・東舞鶴方1号車から、クモロハ286-1(M'sc)+モハ287-101(M1)+モハ286-1(M')+クモハ287-1(Mc)の4輌。付属編成は5号車のクモハ286-1(M'c)+モハ286-101(M'1)+クモハ287-2(Mc)の3輌で、基本編成7本、付属編成6本の合計46輌が新製される計画となっています。なお、この287系新型特急電車については本誌次号でたっぷりとご紹介する予定です。