厳格な父の目から隠れるように自分の世界にこもり、数学に興味を持つ。女の子とは縁がない学生生活で、デート経験はあるが「声はいいのに話が最高に面白くない」となじられる。現在は、結び目理論専攻の准教授。感情表現に乏しく、サービス精神というものに欠けるため、講義はいつも空席が目立っている。
講師。過去に何があったかは佐久良先生しか知らない。いつもニコニコしているように見えて中身は悲観主義者のリアリスト。恋愛恐怖症であり、恋愛至上主義な世の中を嫌悪している。
大学時代に興味を持った孝に積極的アプローチ。卒業後、孝を年下ながらにリードし、結婚。が、長女が生まれると「夫として父として決定的にダメな人種かもしれない」と感じる。
孝の父。高度成長時代を支えた企業戦士。息子には自分のような苦労をさせたくないと、孝には教育熱心。現在は、一時的に養護施設に入所中。
奈緒の母。奈緒が出戻り、心配するが、孫たちと同居できることに喜ぶ。テニスやカルチャーセンターに通うのが好き。
孝の友人。愛想や要領もよく、同期でもいち早く教授になる。バンドが趣味で、音楽と等比数列を関連付けた講義は人気がある。
朗読教室の主宰者。ラジオの人気アナウンサーだったが、妻の病気を機にフリーに転身。自宅で朗読教室を始める。生徒の心の内を救い上げ、カウンセラーのようでもある。
海運会社勤務、半年ほど商船の船長として航海に出る。せめて日本にいる時は、日本語にどっぷり浸かりたいと思い、朗読教室に通う。誰とでも打ち解ける明るい性格。
メーカーの有能な経理担当。幼い頃から、文学や芸術が苦手、他人の気持ちや恋愛に興味をもたないまま一生を終えるのが寂しいと感じ、そんな時に朗読に出会う。
二人の息子がいる主婦。子育ても落ち着き、興味があった朗読ボランティアを始める。自分の朗読を楽しみにする小学生やご老人がいるのが嬉しい。噂好きで、京子は警戒している。
声優志望の学生。憧れていた声優になりたいと思い立ち、とりあえず朗読教室へ。幼少の頃、母親に朗読を褒められたことをずっと覚えている。
実家のコンビニでバイト生活。繊細な性格の持ち主で、幼少の頃から、女の子みたいとからかわれていた。そうした自分を受け入れる、教室に居心地の良さを感じる。
メーカーのショールームに勤務。制服を身に着け、お客様相手に型通りの説明する毎日に疲れ、教室に通い始める。教室ではストレス解消のごとく、積極的に話す。