あゆはこれまで、自ら作詞することにこだわってきたが、初めて詞を募集し、ファンとファンとのメッセージをつなぐ“夢と希望の掛け橋”を演じることになった。

　新アルバムは、最新曲「Ｖｏｙａｇｅ」から、今年唯一のミリオンを記録したシングル「Ｈ」収録の「ＨＡＮＡＢＩ」など１５曲を収録。これ以外にＮｏ・０の“幻の曲”「ＲＡＩＮＢＯＷ」が曲目紹介表に存在し、「この曲は作者の意図により収録されておりません」と記されている。

　実は同曲がアルバムの初回特典で、ＣＤに封入されているパスワードでパソコンや携帯電話から特設ＨＰにアクセスでき、曲の原形となるインストゥルメンタル曲の試聴ができる。この曲を聴いたファンに、感じた思いやメッセージを募集し、それをあゆが自らの感性でかみ砕き、消化して作詞する。それを歌って「ＲＡＩＮＢＯＷ」を完成させ、来年シングル発売するという音楽業界初の試みだ。

　企画は、あゆ本人。所属レコード会社によると、七色といわれる虹にはいろんな色が混ざり合っており、ファンの様々な見方、考え方をかけ合わせて“希望の掛け橋＝虹”を作ろうと発案。９月に米中枢同時テロの爆心地を訪れ、夢・希望への思いを強めたことがきっかけになっている。

　先月訪れたタイでは、貧富の差が激しい国でのプロモーションについて聞かれ、あゆは「私はみんなの夢、希望の存在でなければならないと思う。私を見て、いつでもどんな人でも立ちあがれるように…」と堂々と語っていた。

　新アルバムについて、「虹って、みんな見たことがあるけど、触った人は誰もいない。このアルバムで“夢の箱”を作りたかった。消えない夢が入っている箱なので、聴いた人が幸せになってくれれば」との思いを込めている。


★ジャケットは米ＮＹで撮影

　全裸の“クリスタルあゆ”のジャケットは９月に米ＮＹで撮影。カメラマン以外はスタジオ入室禁止で行われた。最新ＣＧを加え、ガラスのような透明感のある姿に変身した。１０日から渋谷１０９シリンダーをはじめ、東京・大阪・名古屋など１２０面の大型屋外看板で一斉に掲示。撮影したレスリー・キー氏（３１）は世界で活躍するシンガポール出身のカメラマン。世界的ファッション誌「Ｗ．Ｅ．」最新号では、同氏撮影のあゆの写真が表紙を飾っている（前号は中田英寿）。


★あゆと北野監督のコラボレーションだ

　あゆ＆タケシの初コラボ−。アルバムには北野武監督の最新映画「Ｄｏｌｌｓ」を見て感銘を受けたあゆが書き下ろした同名曲を収録した。「色の美しさに感動し、みとれてしまった」といい、北野監督の舞台挨拶に飛び入りしていた。今回は、初めてサビに英語詞を入れた４曲を収録。香港、台湾など６カ国・地域を訪れ、英語が世界の共通語と再認識した結果という。アルバムはアジアでも発売され、海外を意識した作品に仕上がっている。

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