巨岩の映画祭 山あり谷あり コロナで3度断念 21日古座川で

勝部真一
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 和歌山県古座川町相瀬にある国天然記念物の巨岩「一枚岩」(高さ100メートル、幅500メートル)をスクリーンにした「大地を見上げる映画祭 vol.1」(実行委員会主催)が21日に開かれる。「この町にしかできないイベントで盛り上げたい」とクラウドファンディングで資金を集めるなどして開催を目指してきた。

 一枚岩は、南紀熊野ジオパークの「ジオサイト」の一つで、約1500万~1400万年前、火山のマグマが地表へ噴出する際の通路としてできた「古座川弧状岩脈」の一部とされている。

 実行委員会の中心は、一枚岩の前で道の駅兼キャンプ場を経営する田堀穣也さん(35)。古座川町出身で大阪の大学を卒業後、地元に戻り教師や消防士として働き、2年前に友人らと道の駅をオープンさせた。

 映画祭は当初、2021年2、3月ごろの開催を目指し、クラウドファンディングで募った資金で高照度の映写機などを購入した。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの人を集めるのは困難になり、昨年3月、10分ほどの映像を縦約25メートル、横約40メートルの大きさで一枚岩に投影し、動画サイトで配信するだけにとどまっていた。さらに昨秋と今年3月にも開催を目指したが、いずれもコロナ禍で断念していた。

 今回、映画祭が実現できそうだ。田堀さんは「ようやく開催できる。町の良さを多くの人に知ってほしい。不安もあるが、改善しながら継続し、地元に根付いたイベントにしたい」と意気込んでいる。

 21日は午後4時に開場。雑貨や食べ物などを販売するマルシェが設けられる。上映は午後7時から。古座川町の魅力などを紹介する映像や、ディズニー映画「リメンバー・ミー」の上映を予定している。

 参加は無料。1口千円のカンパをしてくれた人にはマルシェで利用できる500円分の買い物券を贈る。入場券は道の駅「一枚岩」、道の駅「虫喰岩」(古座川町池野山)、もりとよ商店(同町高池)で入手できる。雨天の場合は10月に延期。問い合わせは道の駅「一枚岩」(0735・78・0244)へ。(勝部真一)