霧島ジオパーク、7市町の全エリアに拡大 日本委員会が認定

中島健
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 霧島ジオパークのエリア拡大について、日本ジオパーク委員会の審査が28日に行われ、申請どおりの拡大が認められた。鹿児島、宮崎両県にまたがる5市2町の全域2751平方キロがジオパークとなる。これまでは霧島連山を囲むJR日豊線、肥薩線、吉都線の内側822平方キロだった。

 霧島ジオパークは2010年度に日本ジオパークに認定された。鹿児島県側の霧島市曽於市、湧水町と宮崎県側の都城市小林市、えびの市、高原町の一部が対象だったが、同じ市町でもエリアが分断され、事業の展開も霧島山や登山に偏る形になっていた。

 そのため各市町などでつくる霧島ジオ推進連絡協議会は地域住民全体を包み込み、火山と暮らしのつながりを強く打ち出そうと、5市2町全域へのエリア拡大を4月に申請していた。

 推進協の中重真一会長(霧島市長)は、日本委員会の宮原育子副委員長から電話連絡を受け、「活動が進めやすい、ふさわしいエリアになった」と報道陣に語った。地域の魅力を伝えるジオサイトも44カ所から168カ所に増える。

 霧島ジオはユネスコの世界ジオパークをめざしているが、16年度の日本委員会の審査では桜島錦江湾ジオパーク(鹿児島市など)に近いことなどから推薦が見送られた。中重会長は「エリア拡大で、世界ジオパークをめざす第一段階をクリアできた」と語り、桜島との連携を進める考えを示した。

 ジオパークは、地球の成り立ちや特徴が分かる場所や景観を保護しながら、人間の暮らしとの共存を図り、未来への学びにつなげる地域。国内では、日本ジオパークに46地域、世界ジオパークに9地域が認定されている。(中島健)

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