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02年3月22日 |
寺原力負け、1軍残留ピンチ |
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ダイエーのドラフト1巡目、寺原隼人投手(18=日南学園)の開幕2軍スタートが決定的となった。西武戦で3番手として7回から登板。2回を投げ打者10人に被安打3、2失点の投球内容。カブレラには143キロの直球を左翼席中段に運ばれるプロ初被弾も体験。王監督は「開幕1軍? あと2試合見てから」と明言しなかったものの、オープン戦で好調な投手陣の状況から、開幕1軍入りは困難な状況となった。
満開の桜に囲まれた西武ドームのマウンドで、ルーキー寺原の開幕1軍の夢は散った。7回。「最終試験」と位置づけられたオープン戦4度目のマウンドに上がった。いきなり、先頭打者に昨季49本塁打の西武カブレラを迎えた。寺原は剛腕投手らしく直球勝負を挑む。初球。ボールとなったが、内角に142キロの直球で胸元をえぐる。2球目も真ん中低めに143キロの直球を投じる。寺原自身が最も得意とするボールだ。だが、豪快なスイングに捕らえられ、ライナーで左翼席中段まで運ばれた。プロ初の被弾に「力勝負でいったけど、負けました」と苦笑いを浮かべるしかなかった。
王監督は指示していた。「カブレラにどこまで真っすぐでいけるかいってみろ」。変化球勝負で小手先の技術を磨くことよりも「直球勝負」を挑ませていた。寺原は7回を、カブレラに浴びたソロ本塁打の1点に抑えた。が、ベンチに戻り腰を下ろすと口元を真一文字に結び上唇をなめた。プロの力を思い知らされた。
8回にも1点を失った。四球で走者を出し、送りバントを慌ててこぼして二塁進塁を許し、高木大にやはり143 キロ 直球を左翼線へ二塁打され勝ち越しを許した。オープン戦2敗目も喫した。
開幕1軍が、厳しい状況となった。王監督は試合後「暖かくならないと、まだまだ本来の球じゃないから」と直球勝負で敗れた寺原の評価を下げることはなかった。開幕1軍についての問いにも「まだまだあと2試合見てからだね」と、結論はオープン戦全日程終了後とした。
だが、寺原に次回オープン戦登板予定は用意されていない。また寺原については、大きく育てるため、起用するなら先発でとの前提がある。しかし開幕先発ローテーションは5つの枠を巡り、当確の山田、星野、杉内の3人に田之上、ラジオ、永井の計6人が争っている状態。今後、ケガ人が続出しない限り寺原が割って入る状況にはない。
15日のオリックス戦で3回無失点と抑えたときには、王監督の気持ちも揺れた。しかし「逸材だからこそすぐに使おうという意識はない」と常々話してきた。2軍でじっくり取り組ませる可能性が高くなった。【浜崎孝宏】
(写真=西武対ダイエー 7回から登板した寺原(右)は、2回を3安打2失点に終わりベンチでさえない表情)
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ダイエー尾花投手コーチ(最終登板となった寺原について)「(処遇は)オレが決めることじゃないし、今日投げ終わったばかりだから。カブレラの1発はいいミーティングの材料になったよ」
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