水木しげる記念館長庄司行男さん退任へ

大谷秀幸
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 鳥取県境港市水木しげる記念館の3代目館長を12年間務めた庄司行男さん(64)が3月末で退職する。水木作品を愛し、記念館や水木しげるロードなどを訪れる観光客を楽しませてきた。

 庄司さんと記念館との関わりは、2006年4月の事務局長就任からだ。就任間もなく、東京の水木さんのところに行き、「小学生のころ、先生の漫画は怖くて見ていませんでした」と打ち明けた。

 以来、水木作品を読み込み、水木さんの思いや考え方などの理解を深めていった。それが一つの形となっているのが、記念館限定の「水木さんのカレンダー」だ。庄司さんが毎年、水木作品から言葉を選び、水木プロと相談して絵を加えて完成させている。

 庄司さんは「水木さんは基本的にぶれない人だと思う。迎合せず、世間のものさしとはずれているけれど、生きていくのに、あえてそうさせている」。水木さんと一緒に食事をするなど近くで見ていて、イベントなどで写真を撮られる時、変顔などをすることが多かったという。「サービス精神とともに素の自分を出すのが恥ずかしかったのだろう」と話す。

 庄司さんも、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第6期に「庄司おじさん」として登場している。元高校球児の強肩をいかして、妖怪とも戦った。昨年12月のイベントでは、初めてサイン会が開かれ、子どもたちに人気だった。

 自身の今後については「一ファンとして、イベントなどはボランティアで手伝いたい」と話している。

 庄司さんの後任の館長には、元日本航空山陰支店長で、現在、松江観光協会美保関町支部事務局長の住吉裕さん(59)が就任する。庄司さんは、住吉さんについて「気さくでアイデアマン。もってこいの人物」と評価している。(大谷秀幸)

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