5月30日(日) >>
野口、1000K
自責点ゼロも6回100球無念の降板…先発復帰飾れず

力投する中日先発・野口(内山田正夫撮影)=ナゴヤドームで

中日3−2阪神

 そのウイニングショットは、ホームベースに当たってバックネットを転々とした。5回に阪神・杉山からプロ通算1000奪三振を奪った先発・野口茂樹投手(30)だったが、皮肉な場面が待ち受けていようとは…。0−0の6回、八木をスライダーで仕留め、新たなスタートとなる1001個目の三振を奪ったが、谷繁が捕逸。三塁走者・今岡が先制のホームを踏んだ。続くアリアスをストレートの四球で出し、この回100球ジャストで降板した。

 「調子はあまり良くなかった。最初から谷繁さんに1球、1球腕を振るようにアドバイスされて、あの回まで何とか投げられた」

 背水の陣だった。5月3日のヤクルト戦(神宮)でKO負けして以来、ずっと中継ぎに回っていた。だが、5時間40分の最長試合(12回制)となった22日の横浜戦(横浜)で、ウッズにサヨナラ2ランを浴びるなど好転のきっかけをつかめなかった。試金石だった26日ぶりの先発で5イニング0/3を投げて1失点(自責点0)という内容は、野口に明るい未来をもたらしたはず。落合監督は「あれだけ腕が振れていれば次につながる。久々にいい時の野口だった」と合格点を与えた。

 記録を達成した節目の登板に黒星が付くところを、チームが救ってくれた。「(救援の)岡本がよく抑えてくれた。チームが勝ったのが何より。次はもっと長い回を投げられるようにしたい」と野口。この借りは、自らの力投で生んだ“次”で返す覚悟だ。(中谷秀樹)



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