「小選挙区比例代表並立制の仕組みがよくわかりません。政治家に有利な仕組みなの?」。SNSで情報交換しながら取材する「#ニュース4U」の「教科書で学べない政治教室」に、埼玉県に住む30代の公務員の女性からそんな疑問が寄せられた。
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衆院議員は「二つの制度」で選ばれる
衆院選の投票を想像してみよう。投票所に着いた。本人確認を終えると、候補者名を書く投票用紙と政党名を書く投票用紙を手渡される。候補者名を書くのは「小選挙区選挙」で、政党名を書く方は「比例代表選挙」だ。衆院議員は二つの制度で選ばれる。小選挙区は全国を289選挙区に分け、1選挙区から1人の議員を選出。比例区は全国を11ブロックに分け、政党ごとに176議席を争う。
小選挙区と比例区の両方に立候補した人は、小選挙区で落選しても比例区で「復活当選」することがある。「比例復活を狙い、現場では様々な戦略が練られます」と選挙プランナーの松田馨さん(41)は言う。
どういうことか。比例区の議席は各政党の得票率で決まり、当選者は政党の名簿順で決まる。名簿の順位が同じ場合、小選挙区の獲得票数で当選者に迫った「惜敗率」の高い候補から当選する。
比例復活を狙って「票を割る」戦略も
松田さんは現場でこんな光景…