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[ボクシング]名城、王座ならず引退表明…WBA世界Sフライ級

 ◆プロボクシング WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦 テーパリット・ゴーキャットジム(判定 2―0)名城信男(1日、大阪・住吉スポーツセンター)WBA世界スーパーフライ級10位で元同級王者・名城信男(30)=六島=が、王者のテーパリット・ゴーキャットジム(23)=タイ=と果敢に打ち合い終盤追い詰めたが、0―2の判定負け。輪島功一、辰吉丈一郎らに並ぶ日本最多タイ3度目の世界王座獲得はならず世界戦4連敗。試合後、現役引退を表明した。戦績は名城が18勝(12KO)5敗1分け、3度目防衛のテーパリットが19勝(11KO)2敗。(観衆3200)

 終盤4ラウンドで壮絶な「どつき合い」を挑んだ名城だが、0―2の判定負けがコールされるとロープ際でうなだれた。控室では「倒せなかったことがすべて」とKO宣言を果たせなかったことを挙げ、「悔しいけど、最高の状態で負けたので仕方ない」とサバサバした表情だった。

 難敵テーパリット攻略のため、元世界王者・デンカオセーン(タイ)らとの100ラウンドを超えるスパーリングなど実戦中心に仕上げて臨んだ。世界戦を盛り上げるため歌手デビューまでした六島ジム・枝川孝会長(48)の曲でリングへ登場。序盤は互角で、4回には王者が、6回には名城がパンチで目の周辺を切った。9回から再びペースアップすると、名城コールと応援メガホン約1500個が鳴り響く中、足を止めて殴り合った。

 プロ生活10年目で迎えた10度目世界戦。マッチメークや興行に奔走してくれた枝川会長に、過去9戦の世界戦セコンドで昨年ジムを退職した藤原俊志さん(37)に、支えてくれた妻・智子さん(30)に恩返ししたかった。昨年1月に生まれた長女・柚希ちゃん(1)に、初めて現役世界王者の姿を見せたかった。05年に日本タイトル戦で拳を交えた後、リング禍で死去した田中聖二さん(享年28歳)が眠る鳥取の墓前に朗報を報告したかった。

 だが結果は惜敗。王座は遠かった。枝川会長は「判定に不服。WBAがダイレクト再戦させてくれるならやりたい」と悔しさをにじませたが、「負けたら引退」と試合前に公言した名城は「気持ちは変わらない」と引退表明。武骨なイメージと好戦的スタイルから「サムライ」と呼ばれた男が、ボクシング界にその名を残してグラブを置く。

 ◆名城信男(なしろ・のぶお)1981年10月12日、奈良市生まれ。30歳。奈良工でボクシングを始める。アマ戦績38勝19敗。03年7月、プロデビュー。06年7月、カスティーリョ(メキシコ)に10回TKO勝ちし、辰吉丈一郎に並ぶ当時プロ最速8戦目でWBA世界スーパーフライ級王座獲得。初防衛後に陥落も08年9月に河野公平(ワタナベ)に判定勝ちし同王座再奪取。2度防衛後、再び陥落した。身長163センチの右ファイター。家族は妻と1女。弟・裕司(28)はK―1選手。

(2012年9月2日11時16分  スポーツ報知)

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