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北陸新幹線の敦賀延伸に伴い、金沢―敦賀間の北陸線は、JR西日本から「並行在来線」として経営分離される。福井県などの第3セクターが県内区間を引き継ぎ、これまでの特急中心から〈県民の足〉へと位置づけが変わる。先行する路線では赤字が多く、安定した経営を続けられるかが課題となる。
「ハピネス(幸福)」と「ライン(路線)」を組み合わせて「ハピラインふくい」。並行在来線の名称がそう決まった3月28日、福井市内で在来線の利用促進を話し合う協議会の初会合が開かれた。
「観光客ではなく、毎日使う人の利便性こそ大切だ」。車を運転しない人が多い高齢者の団体や、子どもたちを学校に送り出す立場のPTAなどからは、地域密着の運営を求める声が相次いだ。
協議会の会長を務める杉本知事は「一番大切なのは、利用者の視点に立つこと」と応じた上で、「高齢化が進む中、公共交通機関の鉄道は重要だ。少しでも自動車社会からの転換につなげたい」と述べた。
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並行在来線の営業区間は、大聖寺(石川県加賀市)―敦賀(福井県)間の84・3キロ。昨年10月に決まった経営計画では、普通列車は通勤・通学時間帯を中心に、運行本数を1日102本から126本に増便する。快速列車を新設し、福井―敦賀間で8本運行。新幹線駅と周辺駅のアクセス向上も図る。
新幹線が並行して走る区間では特急の廃止が決定している。新幹線駅がないと遠方との行き来がしにくくなるが、福井県や3セクの準備会社は「その分、ダイヤにゆとりができる。地域のニーズに応じてダイヤを設定し、生活と一体化した『県民鉄道』を目指す」とする。一定の時間間隔で運行する「パターンダイヤ」の導入といった利用促進策も検討している。
新駅も設ける。〈1〉森田―福井間〈2〉鯖江―武生間〈3〉武生―王子保間の3区間だ。〈2〉は北陸最大級のイベントホール、サンドーム福井(越前市)周辺で、〈3〉は県立武生商工高の工業キャンパス近くになる計画だ。
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