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【第1回】ガンダム00「杉作J太郎の奥様★アニメの時間です」 アニメ・声優

【第1回】ガンダム00「杉作J太郎の奥様★アニメの時間です」

麻婆豆腐〜40代からのアニメコンテンツ〜 >[アニメ]2010年09月28日

Vol.6 杉作「もしかしてその遺伝子レベルで残ったものはかわいいお色気だったっていうのはね...」

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杉作 僕もあと、個人的にいいですか?

水島 はい、いいですよ。

杉作 釘宮理恵さん、いますよね。

水島 ミーナですね、はい。

杉作 あれはネーナとはどういう関係だったんですか?

水島 ネーナと同じ、いわゆるDNAを有した女性です。だから、ネーナってデザインベイビーじゃないですか。だからもともとあれにはいわゆる遺伝子を提供した人間がいて、その大本とつながっている。で、なおかつネーナに一番近いテイストの女性です。

杉作 よかった。もうね、昨日見て嬉しくて嬉しくて。

水島 (笑)。だからキャラクターもわざとネーナに似せて。名前もミーナに似てる。

杉作 本当嬉しくて嬉しくて、もうね。

水島 いやあ、なんかやっぱり映画にね、新しいキャラクターって必要だよなあと思って。で、あれは本当にもともとの理由っていうのは、カタギリと一緒にエルスについて仮説をたてる、同じように頭のいい学者がいるなあと。で、それをじゃあどういう形で登場させるかってときに、『00』の世界観の中でとりあえずイノベイドは連邦大統領のスタッフとして報道官がいたりとか、そういうふうに過去のテレビで描いてきたキャラクターのいわゆる派生みたいなものはちゃんと表現しようと思ってたので、じゃあトリニティ兄弟のデザインベイビーっていうのをどういうふうに出すかって言ったときに、「ああ、だったらもうあのうちの誰かひとりによく似たキャラクターを科学者で登場するのが一番いいよね」って話になって、「じゃあ誰出す?」ったら「やっぱネーナでしょ」って話になって、「まあ、そうだよね」ってわりと簡単にポンって決まりました。 で、難しい会話をただしてるだけじゃやっぱつまらないし、せっかく男性と女性、カタギリとミーナってキャラクターで登場させるんで、そこにはやっぱりわかり合うっていうテーマにのっとって、そこにもコミュニケーションが生まれてるっていうふうな感じにしよう。で、ああいう描写になってってるんですよ。若干「面白すぎてセリフが頭に入ってこない」って人に言われましたけど。

image杉作 ああ、カタギリのセリフが?

水島 そう。カタギリとミーナの言ってることが、実は核心をけっこうついてるんだけど、なんかイチャイチャしてるところばっかり気になっちゃって、って言われて。

杉作 いやぁ、ミーナはミーナで核心っちゃ核心ですもんね。

水島 すごくそういう意味では実は物語の中の語り部としては重要なポジションを与えていて、なおかつ彼と彼女のやってること自体もサブテーマになってるっていう。

杉作 僕はもうね、ホッとしました。たぶんね、それね、同じ人なんだ、同じ人っていうかね、同じ仲間の人なんだろうなと思ったんですけど。やっぱりネーナがああいう、セカンドシーズンでね、あと最初のシーズンもそうでしたけど、ああいう恐ろしい女性になってましたけど。いやあ、やっぱり遺伝子とかね、そういうものじゃなくて。

水島 あれは環境で。

杉作 ね、環境でね。

水島 うん、そうなっていくから。

杉作 そして、もしかしてその遺伝子レベルで残ったものはかわいいお色気だったっていうのはね、僕は一番素晴らしい話だと。

水島 (笑)。いや、でもそれは伝えたかったところでもあるのでね。お目が高い。

杉作 殺す殺さないとかね、悪いことする、しないは環境だと。かわいいお色気っていうところだけは、ああ、ここは一緒なんだっていうのがね。

水島 そう。だから積極的でなおかつ、わりとなんて言うんですかね、前へ前へ出る性格っていうところ。で、自分がかわいいってことも理解してるところは彼女の環境ですね。

杉作 それはやっぱり変わらないっていうのがね、素晴らしいテーマを持った作品だと。

image水島 一番Jさんらしい語り口じゃないですかね。いやいや、楽しい。ありがとうございます(笑)。釘宮さん、ああいう役とかもいいと思うんで。いわゆるツンデレだけじゃなくって、ちょっと小悪魔的な雰囲気っていうのが声の中にあるから、なるべくよその作品で彼女がやらないような役を自分の作品でやってもらいたいな、と思って。色気あったんで、ちょっとお色気っぽいのもいいじゃないですか。あんまり釘宮さん、ああいうのやらないし。

杉作 そうですね。

水島 いや、でも色っぽい声すごい出ますからね。当たり前ですけど。

杉作 それもびっくりした。かすかな微調整で普段とちょっと違うじゃないですか。うわ、すごいんですね。

杉作 これ、すごくバランス的にも出番の多さ的にもいい役でしたね。

水島 そうですね。だから最終的には語り部になるので、映画の中には当然視覚的にもそこそこ登場するから、そんな中でビリーとの関係っていうのが物語にちゃんとリンクしてるっていうのをやりたかったしね。

杉作 いや、カタギリのあまりにもすごい雰囲気に、見終わったあと忘れてる人絶対いないですよね。

水島 カタギリって、あれはやっぱりね、カタギリやったうえだゆうじさんもうまくて、思った以上に童貞臭がすごい。今回ね、あんまりディレクションしてないんで、うえださんには。

杉作 さすがベテランですね。

image水島 けっこうね、カタギリは最初のときからちょっと自分の中でもどう扱っていいのか考えあぐねているところあって、うえださんに「こんなキャラクターイメージなんですけど、このままだと単なる普通のお人よしキャラになっちゃうんで、癖をつけたいからうえださんに頼みました」と。すごい変幻自在な人なんですよ。詳しく説明しなくても、こういう形でもう見たままですって言ったら「わかりました」と言って、やってくれたのがぶっつけで。“ああ、すごいな”と思いましたね。だからもう、そのかけ合いが本当に素晴らしかったです。

杉作 劇場だと笑いが出るでしょうね。

水島 出てほしいですね。

杉作 試写室はどうですか?

水島 試写室は普通にみんな見てました。なぜかと言うと、わかってるから。こうなるよなって。

杉作 でもあのしゃべり方は、「やさしくしてください」はすごかったですよね。

水島 あれ、素晴らしかったですね。

杉作 あの「やさしくしてください」はすごかったっすね(笑)。

水島 まあ、すごいですよね。あれはもうだから、うえだゆうじのすごさですよ。

杉作 あれはたしかにね、みんなが言うにはちょっとね、「やさしくしてください」がすごかったでしょ。それでそのあとの釘宮さんの「ラージャ!」もすごかった。たしかにそのあと、カットが変わったあとね、三秒ぐらい僕も絵を覚えてない。あっちの世界に行っちゃって(笑)。

水島 そのショックで?

杉作 そのたたみ掛けるような、二人のすごいセリフで。あれはすごかった。

水島 もうね、すごい、カタギリが、他の研究員が出てっちゃってミーナと二人になった緊張感みたいなのを、なんかやりながらこうしゃべってるとき、若干声がうわずってたりとか…わかってるなあって。で、自分の言った仮説をミーナが支持してくれたんで、嬉しくて振り向いたら抱きつかれちゃった。ちょっとの微妙なお芝居の変化がすごいよくて、「うめえっ!」と思いながら。

杉作 いやあ、まあそんなこんななんですけど、これからご覧になる人に対して、じゃあ監督、一言。

水島 そうですね、本当にガンダムという意味でもすごく珍しい作品になってますし、映画としても楽しめるようには僕ら工夫して作ったつもりなので、ぜひキャラクターのいいところも見ていただきたいですし、今語らなかったんですけれど、メカアクションも相当がんばってますんで、ぜひ劇場に足を運んでいただけるとうれしいです。

よろしくお願いします。

 

 

 

プロフィール

みずしま・せいじ☆ '66年1月28日生まれ 東京都出身

日本のアニメ監督 作品に'95年『新世紀エヴァンゲリオン』(第9話演出)、'03年『鋼の錬金術師』(監督・演出)、'07年『大江戸ロケット』(監督)、’07年『機動戦士ガンダム00』(監督)、'10年『はなまる幼稚園』等多数。

すぎさく・じぇいたろう☆‘61年9月26日生まれ 愛媛県出身

漫画家・俳優・タレント・ミュージシャン・ライター・小説家・映画監督・男の墓場プロダクション局長 年間300本超のアニメ作品を見る“アニメマエストロ”でもある。監督作品に'06年『任侠秘録 人間狩り』『怪奇!!幽霊スナック殴りこみ』'07年『やる気まんまん』。

 『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』 
全国ロードショー中 http://www.gundam00.net/

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