山本知弘
2015年5月28日03時00分
長崎駅で戦前から使われ、九州新幹線西九州ルート整備に伴って廃止された「転車台」が天竜浜名湖鉄道(本社・浜松市)で部品として再利用されることになった。原爆に耐え、戦後長らく活躍した。「譲ってほしい」「使ってもらえるならば」という関係者の思いが、800キロの距離をつないだ。
26日午後、天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅(浜松市天竜区)の扇形車庫前に、長崎ナンバーの4トントラックが横付けされた。作業員がフォークリフトやクレーンを使い、2昼夜かけて運ばれた金属製の荷物を下ろしていく。電話ボックスに似た運転台、鉄の車輪、手回し式ハンドル――。いずれも昨年3月まで長崎駅で使われていた転車台の機構や部品だ。
転車台は車両の向きを変える円盤状の設備。天竜浜名湖鉄道によると、運転席が前方にしか向いていない蒸気機関車には必須の設備だったが、運転席が編成の両端にある電車や気動車の列車が主力になった今、存在自体が珍しいという。
残り:693文字/本文:1100文字
おすすめコンテンツ
PR比べてお得!