北朝鮮 弾道ミサイル1発を発射 EEZ外に落下と推定

防衛省によりますと、1日未明、北朝鮮から弾道ミサイル1発が発射され、日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海に落下したと推定されています。北朝鮮は31日も弾道ミサイルを発射していて、防衛省が警戒を続けています。

防衛省によりますと、1日午前2時50分ごろ、北朝鮮西岸付近から弾道ミサイル1発が東の方向に発射されました。

最高高度はおよそ100キロ、飛行距離はおよそ350キロで、朝鮮半島東側の日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海に落下したと推定されています。船舶や航空機への被害の情報は入っていないということです。

北朝鮮は31日も弾道ミサイル3発を発射していて、ことしでは初めてです。

防衛省は「北朝鮮は去年から立て続けにミサイル発射を繰り返し、朝鮮半島や地域の緊張を著しく高めていて断じて容認できない」として厳重に抗議したとしています。防衛省が引き続き警戒を続けています。

韓国軍「首都ピョンヤンから短距離弾道ミサイル1発発射」

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が1日午前2時50分ごろに首都ピョンヤンのリョンソン(龍城)付近から短距離弾道ミサイル1発を日本海に向けて発射したと明らかにしました。

浜田防衛相「国連の安保理決議に違反 強く非難する」

浜田防衛大臣は、北朝鮮が1日午前2時50分ごろ、北朝鮮西岸付近から1発の弾道ミサイルを東に向けて発射し、日本のEEZ=排他的経済水域の外側に落下したと推定されることを明らかにしました。

浜田防衛大臣は午前4時すぎ、防衛省で記者団に対し、北朝鮮が午前2時50分ごろ、北朝鮮西岸付近から1発の弾道ミサイルを東に向けて発射したことを明らかにしました。

最高高度は100キロ程度で、350キロ程度飛行し、落下したのは朝鮮半島東側の日本海で、日本のEEZ=排他的経済水域の外側と推定されるとしています。

一方、これまでのところ、航空機や船舶などの被害の情報は確認されていないとしています。

浜田大臣は、今回の発射について「一連の行動はわが国、地域および国際社会の平和と安全を脅かすもので断じて容認できない。国連の安保理決議に違反するもので、強く非難する」として、北朝鮮側に対し、北京の大使館ルートを通じて抗議したことを明らかにしました。

岸田首相 万全の態勢をとることを指示

岸田総理大臣は、情報の収集と分析に全力を挙げ、国民に対し、迅速・的確な情報提供を行うこと、航空機や船舶などの安全確認を徹底すること、それに不測の事態に備え、万全の態勢をとることを指示しました。

海上保安庁「船舶への被害情報なし」

海上保安庁が日本周辺の海域で被害などの確認を進めていますが、これまでのところ日本に関係する船舶への被害の情報は入っていないということです。

3:00ごろ 韓国軍「北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射」

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射したと1日午前3時ごろに明らかにしました。

韓国軍はアメリカ軍とともに飛行距離やミサイルの種類などの分析を急いでいます。

政府 緊急参集チームを招集

政府は、総理大臣官邸の危機管理センターに設置している官邸対策室に関係省庁の担当者をメンバーとする緊急参集チームを招集し、情報の収集と被害の確認などにあたっています。

2:58ごろ 海上保安庁「すでに落下したとみられる」

海上保安庁は防衛省からの情報として、「弾道ミサイルの可能性があるものは、すでに落下したとみられる」と午前2時58分に発表しました。

航行中の船舶に対し、今後の情報に注意するよう呼びかけています。

2:55ごろ 海上保安庁「弾道ミサイルの可能性あるもの発射」

海上保安庁は防衛省からの情報として、「北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射された」と午前2時55分に発表しました。

弾道ミサイルの可能性のあるもの発射の情報 防衛省

防衛省は北朝鮮から弾道ミサイルの可能性のあるものが発射されたと先ほど発表しました。防衛省は日本への影響がないか情報の収集を進めています。

北朝鮮 ミサイル発射はことし初めて

北朝鮮は、12月31日も弾道ミサイル3発を発射しています。北朝鮮によるミサイル発射はことし初めてです。

北朝鮮 ミサイル発射 2022年は過去最多

北朝鮮による弾道ミサイルなどの発射は2022年の1年間で過去最多となる37回でした。

▽去年1月に7回、
▽2月に1回、
▽3月に3回、
▽4月に1回、
▽5月に4回、
▽6月に1回、
▽8月に1回、
▽9月に3回、
▽10月に7回、
▽11月に6回、
▽12月に3回、
それぞれ弾道ミサイルなどの発射を繰り返しています。

北朝鮮をめぐる動き

北朝鮮に対する抑止力の強化を進める米韓両国に対して、北朝鮮は2022年、過去にない頻度で、弾道ミサイルなどを相次いで発射してきました。

12月、韓国に駐留するアメリカ軍は新たに宇宙軍部隊を立ち上げ、韓国軍も「宇宙作戦大隊」を創設して北朝鮮によるミサイル発射の監視や探知の強化を図っています。

また、12月20日にはアメリカ軍のB52戦略爆撃機が参加して韓国空軍と共同訓練を行い、韓国国防省は、訓練はアメリカが核戦力などで同盟国を守る「拡大抑止」強化の一環だと強調しました。

一方、北朝鮮は去年11月にICBM級の1発を発射して、「火星17型」の発射実験に成功したと発表し「世界最強の戦略兵器としての威力ある性能が検証された」と成果を誇示しました。

また、12月15日には、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の立ち会いのもと大出力の固体燃料エンジンの燃焼実験に成功したと翌日の16日に発表し、韓国の専門家からは中・長距離の新型弾道ミサイルに使う固体燃料エンジンの開発の一環だという見方が出ています。

さらに12月26日には北朝鮮の無人機5機が韓国の領空を侵犯し、このうちの1機が首都ソウルの北部上空まで飛来していました。

防衛省 警戒続ける

去年、北朝鮮によるミサイル発射は37回と過去最多となりました。北朝鮮は、国防5か年計画に沿ってさまざまな兵器の開発を進めていて、防衛省は、引き続きミサイルの発射や核実験の実施などに警戒を続けています。

防衛省によりますと、去年、北朝鮮が発射した弾道ミサイルや巡航ミサイルは合わせて37回、少なくとも73発にのぼりました。

防衛省が公表したものだけでも弾道ミサイルやその可能性のあるものの発射は31回、59発にのぼり、過去最多だった2016年の15回と、2019年の25発をいずれも2倍以上上回りました。

北朝鮮はおととし明らかにした国防5か年計画に沿ってさまざまな兵器の開発を進めていて、このうち去年1月には、音速の5倍以上の速さで変則的な軌道で飛行する「極超音速ミサイル」と称する新型ミサイルを発射しました。

また10月に発射した弾道ミサイルは日本の上空を通過してこれまでで最も長いおよそ4600キロ飛行し、北朝鮮は戦術核運用部隊の訓練の一環だったと発表しています。

さらに、3月や11月にはアメリカ全土に届くとされる新型のICBM=大陸間弾道ミサイル級も発射していて、ことしは固体燃料を使用した中・長距離の新型弾道ミサイルを発射する可能性も指摘されています。

防衛省は、「今後も各種ミサイルの発射や核実験の実施など、さらなる挑発行為に出てくる可能性がある」として、警戒を続けています。