<中京記念>◇19日=阪神◇G3◇芝1600メートル◇3歳上◇出走18頭

盛夏のハンデ戦らしく、大波乱となった。勝ったのは最低18番人気のメイケイダイハード(牡5、中竹)。

中団から抜群の手応えで進出すると、そのまま直線で抜け出した。単勝配当は1万6300円。JRAのフルゲートが18頭になった91年以降の重賞で、単勝18番人気馬の勝利は初めてとなった。今後は大金星をきっかけに、夏のマイル王を目指していく。

メイケイダイハードは3コーナーを抜群の手応えで上がっていった。それでも中竹師は悲観的だった。

「うなるように上がっていったし、直線で止まるんじゃないかと思っていた」

伏線があった。パドックを周回していた時、ダイハードは軽く馬っ気を出していた。「暑い時、牡馬は精神的にだめになって馬っ気を出すことがある。これは大差のしんがりになるのでは・・・と心配になった」。5戦連続2桁着順という成績も師を弱気にさせていた。

だが、直線に向いても勢いは衰えなかった。ラスト1ハロンで先頭に立つと、その後もスピードを維持。内、外から追い込んできた馬を抑え込んだ。中竹師が「本当に驚いた」という最低人気での快勝劇。強気の騎乗で勝利に導いた酒井騎手は「人気は気にしていなかった。なにより馬が頑張ってくれた」とパートナーをたたえた。

担当の篠原助手は15日水曜の朝まで函館にいたが、その調教後、ダイハードの世話をするため栗東へ戻った。翌木曜に行われた最終追い切りの動きは抜群。状態の良さは感じていたが、それでも「信じられない」と勝利にぼうぜんとした。

最終週の荒れた馬場を勝因に挙げる声もあるが、勝ち時計の1分32秒7は、今夏の阪神開幕週のストークS(1分33秒2)を上回る好タイム。力があってこその勝利だろう。今後について師は「サマーマイルシリーズのチャンピオンは狙ってみたい」と語る。今後、この勝利がフロックではないことを見せつけそうだ。【岡本光男】

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