将棋プログラムの紹介

現役のプログラム 現在(2000/03/16)の順位順(おおよそ)

IS将棋 ・・・作者 棚瀬、後藤、岸本。第8回、第10回と優勝。前回はもっとも不運だったが今回はもっともラッキーだった、と敢えて書いてしまいたい。負け惜しみももちろんありますけどね。最終戦前の優勝確率で金沢将棋60%、川端将棋24%、IS将棋12%、YSS4%の所を見事にかっさらっていきました(確率は小谷先生の算出によるそうです)。しかしなぜYSSが4%なのだ・・・IS将棋と同じはずなのに。YSSが金沢さんに勝ちそうになったときの「きたきたきた〜」が頭に焼き付いて離れません。

YSS   ・・・作者 山下 宏 (私)。第7回に優勝。2年連続の準優勝はやや複雑な心境。最近はマシンの速度向上に助けられている面もあるので、アルゴリズムの改良でその上を超えたいものです。

川端将棋 ・・・ 作者 川端 正一。今回の台風の目。Shotestに無念の時間切れ負けがなければ優勝だったのだが・・・。YSSは完璧に負かされました。昨年まではJavaで書かれていたそうですが、今年はC++に書きなおしたそうです。

金沢将棋 ・・・作者 金沢伸一郎。今回初の3位以下陥落となった。第2回の参加以来、常に優勝か準優勝の位置につけていた氏の陥落は今大会での最大の出来事?かもしれない。優勝5回、準優勝3回。

柿木将棋 ・・・作者 柿木義一。対振の居飛穴を得意として、「柿木将棋の穴熊は0筋に王がいるほど遠く見える」とIS将棋さんを言わしめるほど。2月の札幌名人戦でB級で参加、見事全勝優勝している。フリーの棋譜管理ソフトなどを作成されていて、ネット将棋での貢献度はNo1。

KFEnd ・・・ 作者 有岡 雅章。川端将棋と共に今回頭角を表してきた。ABC探索(Alpha-Beta-Conspiracy)という方法を採用している。選手権では穴熊や藤井システムなどを採用する攻め将棋の棋風。名称の由来は元が棋譜管理ソフトで、その最終形?でEndとか。

SHOTEST ・・・作者 Jeff Rollason(イギリス)。今回は鴨にしていた柿木将棋とYSSに初敗北を喫したのが痛く7位に。あまり運が良くなかった、もしくはShotest対策を対戦相手が用意しだしたのが大きいかもしれない。評価関数の中で王手飛車まで探索する、指し手をものすごくしぼって探索してくる、などの特徴がある。彼のWebページの将棋プログラマ写真集は必見。

Shocky ・・・作者 Pauli Misikangas(フィンランド)。オーロラの国から今回初めて来日しての参加。ヘルシンキ大学の研究員だそうです。2次予選を抜けたのは正直ラッキーか、とも思っていたが決勝で2勝をあげるなどフロックではないことを証明した。

永世名人 ・・・作者 吉村信弘。 第1回の栄えある優勝者。今回再び(3度目?)無念の次点。今回は矢倉46銀37桂戦法を組み込んできた。ブレインに大学将棋部の部員が参加しており戦法の選択が毎回注目される。

KCC将棋 ・・・ 北朝鮮のプログラマーグループによる作品。彼らは囲碁も作っており(こちらがメイン?)第4回、5回FOST杯で優勝している。今回は前半で落とした星を回復できず予選落ちに。しかし唯一IS将棋に土をつけている。

宗銀 ・・・ 作者 小泉 健。 急成長プログラムの勢いにおされたか。

S1.5 ・・・作者 東京電通大 野下研。研究プログラムの中では最強。第6回から参加し、いきなり本戦出場を果たした。担当した学生が毎年卒業してしまうため、ノウハウがうまく蓄積できないのが悩みだそうである。

丸電将棋 ・・・ 作者 箱田 幸男。ソースコードだけではなく、コンピュータ将棋マンガをも描ける異色のプログラマ。マンガは詰パラに連載されています。

せくしーあいちゃん ・・作者 東京農工大 小谷研。第1回からの参加。研究ソフトでは最古参。Shouchanからの改名で、由来は会場でもアルバイトをしていたセクシーな女性の方とか。

森田将棋 ・・・作者 森田和郎。 第2回に優勝。将棋プログラムの歴史はこのソフト抜きには語れない。

矢埜将棋 ・・・作者 矢埜雅俊。 この2年ほどお休みになっています。

電脳解人 ・・・作者 伊藤琢巳。 最初に最良優先探索(SSS)を用いて100手を超える詰将棋を解いた。

脊尾将棋 ・・・作者 脊尾昌宏。 現在のもっとも優秀な詰将棋プログラムの作者。1997/04/12、最長のミクロコスモス(1519手橋本孝治作)を解き、詰将棋プログラムの進歩に終止符をうった。

古き良き時代のプログラム

ESS  ・・・作者 若林 宏。1984年前後に活躍した。雑誌「MICRO」や「マイコン」で将棋プログラムの大会、「名譜戦」の記事を書いた。オールBASICのESSの基本データ構造をYSSは参考にしている。

レート1205 ・・作者 笠本正典。「棋帝」の作者でもある。レートはPC6001mkIIで動くプログラム名。バグ多し。

将棋対局 ・・・作者 黒崎 隆。最初のマイコン用の将棋プログラム。

s68k   ・・・作者 阪下真弘。1990年当時、YSS1.0と熱戦を演じた。YSSの2勝13敗ぐらい。基本データ構造はYSSと共有。

大型機の時代

大阪大学 ・・・作者 奥田育秀、牧野寛、木澤誠。

玉川大学 ・・・作者 滝沢武信。

東京農工大 ・・作者 小谷善行。

1979年8月15日〜10月22日。(先)大阪大学−玉川大学。大阪大学の勝ち。

1981年6月29日〜12月。  (先)農工大 −玉川大学。玉川大学の勝ち。

チェス

Deep Bule ・・・作者 Hsu、他。現在最強と見なされているチェス専用のコンピュータ。毎秒2億手以上を読み14手先以上まで完全に探索する。人間の99%以上はこのシリコンのがらくたに勝てない。カスパロフ君、まだまだ負けないでね(^_^;)。と書いていたら負けてしまいました。とほほ(;_;)。解体?されて Deep Blue Jr が活躍している?のかな。勝ち逃げという噂もちらほら。

Chess Genius ・・作者 Richard Lang。早指しで初めてカスパロフを破ったパソコンのプログラム。

Fritz ・・作者 Frans Morsch。1995年第8回国際コンピュータチェス選手権での優勝プログラム。Deep Blueを破っている。パソコンのプログラム。


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