2021 年 73 巻 3 号 p. 151-156
インドでは大気汚染とそれによって生じる健康被害等が大きな問題となっており,その主要排出源の一つが焼成レンガ工場である.レンガはインドにおいて古くから使われており,現在では年間2,500 億個ものレンガが生産されている.レンガは大気汚染の一因である一方で,安い建材として13 億人もの人口を抱えるインドの住環境向上に大きな役割を果たしている.そこで本稿ではレンガセクターによる大気汚染を削減するため,レンガセクターによる大気汚染の削減を妨げている要因を,社会背景を含む包括的なレビューにより分析する.