ISが指導者の死亡を発表 シリア北西部の戦闘で 5代目が就任

カイロ=武石英史郎
[PR]

 過激派組織「イスラム国」(IS)は3日、4代目の指導者がシリア北西部イドリブ県で死亡したと明らかにした。AP通信などが伝えた。音声メッセージで、指導者がテロ組織アルカイダ系の組織との戦闘で負傷し、その後死亡したとしているという。

 死亡したとされるのはアブフセイン・フセイニ・クライシと名乗る人物。偽名とみられ、人物像は明らかになっていない。AP通信によると、アブハフス・ハシェミ・クライシという人物が5代目に就いたという。ISは死亡時期を明らかにしていないが、シリア北部に派兵しているトルコのエルドアン大統領は今年4月、この人物を同国の情報機関が「無力化した」と述べていた。

 ISは2014年、前身の組織がイラク北部にある第2の都市モスルを制圧して「国家」樹立を宣言。勢力を拡大したが、米軍などによる掃討作戦で支配地域を失い、19年には初代トップのバグダディ容疑者が死亡。22年11月に3代目の指導者が戦闘で死亡したとされた後、アブフセイン幹部が後継となっていた。

 本拠地だったシリアやイラクでは弱体化が進む一方、パキスタンアフガニスタン、中東、アフリカなどの各地でISに忠誠を誓う組織がテロや攻撃を繰り返している。(カイロ=武石英史郎)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません