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北朝鮮:平壌建設ラッシュ 故金日成主席生誕100年控え

 【北京・米村耕一】北朝鮮の首都・平壌(ピョンヤン)で建設ラッシュが続いている。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」(電子版)は16日、「平壌を雄壮華麗に整えよう」と題した社説を掲載。14日にサッカー応援のために平壌を訪れた日本人サポーターも工事が進む様子を目撃した。ただ、資金や資材の不足は深刻で、北朝鮮の当局者は頭を悩ませているようだ。

 サッカー応援の公式ツアーに参加した秋田県横手市の会社経営、林博樹さん(41)は、バスの窓越しに工事の様子を見て「経済制裁の中でよくこれだけやっているな」と感じたという。

 建設が進むのは主に中層、高層のアパートだ。この時期に工事を急ぐのは、来年4月の故金日成(キム・イルソン)主席生誕100周年までに現代的な都市の景観を完成したいためだ。工事がストップする厳寒期に入る前に一定のめどをつける必要がある。「労働新聞」の社説は国民総動員を呼びかけるが、すでに平壌などの大学生は今春から1年間、休学して工事現場に配置されている。

 問題は資金や資材の手当てだ。貿易のために中国を訪れた平壌市民は10月、朝鮮労働党の中堅幹部が「国庫は空に近く、重点プロジェクトに回す資金も足りない」とこぼすのを聞いた。党幹部らは「8万ウォン(約620万円)程度上納すれば、誰でも(特権である)平壌の中心区域に住ませ、しかるべき機関に就職させる」とのアイデアで資金不足を解決しようとしているという。韓国の聯合ニュースは、両親が資材を提供すれば大学生の子供の動員を免除していると伝えている。

毎日新聞 2011年11月16日 22時38分

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