松井、メジャー昇格！長嶋さんと合体の背番号「３５」

試合後、報道陣に囲まれてメジャー昇格の喜びを語る松井（共同）

　【インディアナポリス（米インディアナ州）・２８日】レイズ傘下３Ａダーラムの松井秀喜外野手（３７）のメジャー昇格が決まった。２９日の本拠地（セントピーターズバーグ）でのホワイトソックス戦（日本時間３０日午前８時１０分）から合流し、「５番・ＤＨ」でデビューする見込みだ。関係者の話を総合すると、新たな背番号は「３５」で、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督（７６）の「３」を取り入れたという。恩師の魂を背負い、節目のメジャー１０年目に挑む。

　新天地での「顔」が決定的となった。レイズでの背番号は「３５」となる見通しだ。プロ入りから１９年間つけてきた「５５」は若手左腕・ムーアがつけていたため、新たな背番号には注目が集まっていた。自ら選択し「５５」のイメージを残しつつ、巨人・長嶋終身名誉監督の永久欠番である「３」を取り入れたとみられる。

　会見では「ある程度は決まってるんですけど、楽しみにしておいてください」と話すにとどめた。当初は「６６」などのゾロ目の可能性があったが、最終的にはミスターとの絆を浮かび上がらせるものとなった。「また野球をしたい。またメジャーの舞台に戻って野球がしたい。それだけですよ」。苦しんだ末にたどり着いたメジャー１０年目の舞台へ、改めて熱い思いを吐露。ミスターの魂を背負い、大暴れするつもりだ。

　吉報は、ハードな一日を終えたところで届いた。「４番・ＤＨ」でフル出場した敵地でのインディアナポリス戦後、ダーラムのモントーヨ監督から「明日から上に行ってくれ」と声をかけられた。意外なタイミングだった。

　前日のノーフォーク戦後、関係者の運転する車でダーラムに帰った。当初はここで昇格が決まるとみられていたが、実際は１日だけ遅かった。そのため、この日は朝５時に起床し、一般の航空会社の経由便でインディアナポリス入り。チャーター機を使うメジャーとは明らかに違う待遇で過酷な移動を経験した。２９日には再び約２時間半の飛行機での移動を経て、ナイターに出場することになるが、本人は「今日よりはゆっくりでしょう」と笑い飛ばした。慣れ親しんだメジャーの舞台が、疲労への特効薬になる。

　苦しい経験は必ず糧になる。「このあと、いいプレーができれば（これまでが）いい期間だったということになるんじゃないですか」と穏やかな表情で話した。２９日のＷソックスの先発は、４月に完全試合を達成したハンバー。右腕のため「５番・ＤＨ」でのスタメンデビューが有力だ。さあ逆襲へ。ゴジラの背中には大きな力が宿っている。

　◆ミスターと松井　９２年のドラフトで、巨人・長嶋監督が松井秀喜（石川・星稜）を４球団競合の末に引き当てた。ミスターのマンツーマンでの指導は東京ドームやＧ球場にとどまらず、遠征先の宿舎や長嶋さんの自宅でも行われた。００年には球団５１年ぶりの「４番フルイニング出場」を達成。松井が０３年にヤンキースに移籍してからも師弟関係は変わらず、長嶋さんがニューヨークを訪れた０３年４月にも、現地のホテルの一室でスイングチェックをしていた。

　◆レイズの３５番　創立の９８年にＤ・スプリンガー投手が初めてつけたが、この年途中からＢ・レイカー投手。最も長くつけたのが現インディアンスのＤ・ウィーラー投手で９９、０１、０７～１０年と足かけ６シーズン。今春のキャンプではＣ・アーチャー投手が着用していた。他球団でも、永久欠番となっているＰ・ニークロやＲ・ジョーンズ、現役ではＪ・バーランダーと、投手の番号のイメージが強い。ただ、通算５２１本塁打のＦ・トーマス内野手がＷソックスの永久欠番となっている。