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【J2:第28節 京都 vs 鳥栖 レポート】雨の中、引き締まった守備を見せた両チーム。試合を決めたのは徳重隆明の前節で得た判断 [ J's GOAL ](07.07.15)

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7月14日(土) 2007 J2リーグ戦 第28節
京都 1 - 0 鳥栖 (19:04/西京極/2,507人)
得点者:'78 徳重隆明(京都)


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 公式記録のピッチ欄に記されたのは「天然良芝 水たまり」。試合開始20分ごろから大雨になり、裏へのボールは水の上をすべり、ドリブルをすれば水の抵抗でボールは止まるという状態だった。

 鳥栖は、出場停止の飯尾和也に代わり加藤秀典が先発し、柴小屋雄一とディフェンスラインを統率。この二人が鳥栖のディフェンスラインをコンパクトに保ち、これにより高い位置から前線にボールを送り込む。いい入り方を見せた鳥栖が試合序盤、リズムをつかもうとする。
しかし、京都は負傷帰国したチアゴの変わりに入った森岡隆三と、角田誠のディフェンスラインが落ち着いて対応し、これを粘り強く跳ね返した。

 雨の中、ピッチには水がたまりサッカーにならない中でとにかく前へ蹴り合った両チーム。
蹴り合いの中でフィニッシュまで持ち込む強さを見せたのは京都だった。33分には三上卓哉のクロスからのこぼれ球をエリア右にいたパウリーニョにつないでシュートまで持っていくと、39分には斉藤大介の鳥栖ディフェンスラインの上を超えるスルーパスに徳重隆明が走りこんでダイレクトボレーを放ち、GKがはじいたところを再度パウリーニョ。ゴールにはならなかったが雨の戦い方を心得ている試合運びを見せた。

 前半途中から強くなった雨を受け、後半、両監督は動いた。鳥栖・岸野監督は、左サイドの山口貴之を「今日は彼の良さは出ない」と後半から尹晶煥を投入。京都・美濃部監督も足元の技術に長ける倉貫一毅を「こういう試合では良さは出ない」として中払大介に代える(後半9分)。

 仕切り直しの後半、立て続けにシュートを放ったのは鳥栖。後半開始直後のCKから柴小屋がフリーでヘディングシュートを放つと、後半8分には早いリスタートから藤田祥史が頭で合わせた。前半同様立ち上がりに流れを掴もうとする鳥栖だったが、「前に蹴れなかった」(岸野監督)と言うとおりこれ以後フィニッシュまで到達するボールが蹴りこまれることは無かった。ただし、京都もチャンスはほとんどなくゲームは進む。

 決勝点は後半33分、鳥栖のゴールキックを斉藤が頭で前線左へ、そこに走りこんだのがパウリーニョと鳥栖・長谷川豊喜。ボールをキープしようとするが、ボールが水たまりで止まり、二人は前にのめり込む。この置き去りになったボールに飛び込んできたのが徳重。迷い無く振りぬくと鳥栖ゴールネットを揺らした。
「前節の山形戦でも中盤が無くなったので、今回もそうなると思って、サイドでチャンスを作るよりトップを追い抜く動きや、そのフォローをしようと思っていた」と、前半から田原、パウリーニョに寄り切れる距離を保っていた徳重の判断が京都に勝利を呼び込んだ。
 その後は京都が落ち着いてゲームを支配しタイムアップ。山形戦に続いて雨の2連戦を制した。

 試合後、岸野監督は「あと5m長くボールを蹴るように」と、雨の中でのボール運びを反省した。とはいえ、「前の試合が悪かったので高い意識で入った」(加藤)というラインを高く保った鳥栖のディフェンスは評価に値するもので、チーム全体の方向性はしっかりと選手に行き渡っていた。あとは前線が決めればすぐにでも復調するだろう。

 勝った京都は守備の安定が光った。「辛抱強くなった」とボランチ石井俊也はチームの仕上がりに手ごたえを感じていた。前節の山形戦と合わせ、苦しい試合を2連勝で飾った京都は第3クール絶好のスタートを切った。

 この試合後、監督、選手から「この勝利をアレモンに捧げます」との言葉があったことを付記させて頂きます。

以上

2007.07.15 Reported by 武田賢宗

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