大阪・鶴橋の道場から東京五輪へ サモア人の柔道選手

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森岡みづほ
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 大阪・鶴橋の道場に、東京五輪の柔道のサモア代表がいる。南太平洋に浮かぶ島国出身のペニアミナ・パーシバルさん(26)。コリアンタウン近くの小さな道場で練習を積み、街に溶け込んだ選手は、男子81キロ級の27日の試合に向け、20日に東京の選手村に向かう。

 「Let’s do ukemi!(受け身をやってみよう)」

 7月中旬の午後、大阪市天王寺区の道場「大新柔道会」。パーシバルさんが子どもたちに柔道を教えていた。

 JR大阪環状線高架下にあり、電車の振動で時々揺れる20畳のこぢんまりした道場。パーシバルさんは稽古をするほか、週に1日、英語で柔道を教えている。愛称は「ベン」。子どもと一緒に駆け回ったり、転がったり。「ベンはいつ東京に行くの?」「がんばってね」。子どもの保護者に声を掛けられ、「ありがとう」と笑顔で答えた。

 人口約20万人の小さな島国サモアで生まれ育ったパーシバルさんが柔道と出会ったのは、13年前だった。

太平洋の島国の選手がいかに柔道に出会い、コリアンタウン近くの道場で練習するようになり、東京五輪にまでたどり着いたのか。記事の後半では、「ベン」のこれまでをたどります。

 ラグビーは盛んだが、柔道を…

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