平成13年度から平成14年度の2年間にわたり, 奈良県内の4
水系
(大和川
水系
, 淀川
水系
, 紀の川
水系
, 新宮川
水系
) 91地点で河川水のpH, 導電率 (E.C.) , イオン成分濃度 (質量濃度) の調査を年4回行った.その結果, pHについては, 4
水系
においては大きな差異は見られなかったが, 各イオン成分濃度について平均値で比較すればNO
2-, Br
-, PO
43-を除くほとんど全てのイオン成分について, E.C.の平均値の順序と同じく大和川
水系
>紀の川
水系
>淀川
水系
〉新宮川
水系
の順であった.また, イオン成分濃度で比較すると, 各
水系
共に, アルカリ度が約半分を占め, その組成はアルカリ度Ca
2+, Cl
-, SO
42-, Na
+でイオン成分の80%以上を占めていた.田園都市部を流れる大和川
水系と山間部の清浄地域を流れる新宮川水系
とをpH, E.C., イオン成分濃度およびBOD, COD濃度の平均値で比較 (大和川
水系
/新宮川
水系
) すれば, Cl
-, K
+およびBOD, CODが10倍以上濃度が高かった.
水系
別にpH, EC., 各イオン成分濃度と有機汚濁指標であるBOD, COD濃度を用いた多変量解析法 (クラスター分析, 主成分分析) の結果, クラスター分析から各
水系
別にBOD, CODと各イオン成分とをグループ分けをすることができ, これらは各
水系
の地理的特性を反映し, また主成分分析から2個の主成分 (Z
1, Z
2) で要約することができ, イオン成分とBOD, CODとの関係と調査地点の特性を把握することができた.
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