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オウム井上死刑囚「麻原は“アレフ解体”指示すべき」

更新:04/13 18:07

 オウム真理教の死刑囚が移送されてから14日で1か月。死刑執行の現実味が増すなか、井上嘉浩死刑囚と土谷正実死刑囚が、麻原死刑囚への激しい憤りを手紙に綴っています。 「麻原を信じたことそのものが罪のはじまりであり、全ての罪の責任は私にあります」(井上嘉浩死刑囚からの手紙)

 今年2月、こう手紙に綴ったのは井上嘉浩死刑囚。教団「諜報省」のトップとして地下鉄サリン事件など10の事件に関与し、麻原彰晃、本名、松本智津夫死刑囚の側近中の側近でした。

 手紙を受け取ったのは僧侶の平野喜之さん。井上死刑囚の高校の先輩で、10年以上、面会や手紙のやりとりを続けてきました。大阪拘置所に移ったばかりの井上死刑囚と、今月5日にも面会。松本死刑囚について、こう話したと言います。

 「自分のやってきたことは、過ちであるということをはっきりと自覚して、まず、被害者の人に謝罪して、そしてやるべきことは、アレフの信者たちに『自分のやってきたことは間違いだった。だから解体すべきだ』ということを、メッセージとして出すべきなんだと」(井上死刑囚の支援者 平野喜之住職)

 オウム真理教の後継団体と目されるアレフの信者に「アレフは解体すべきだ」と、松本死刑囚から伝えるべきだというのです。

 「二度とオウム事件のような事件が起こらないような、そのために自分の人生をささげる方が、償いになっていくと彼は考えていると思います」(平野喜之住職)

 他にも、松本死刑囚への強い憤りを告白する死刑囚がいます。教団の化学班キャップとしてサリン製造の中心的な役割を果たした土谷正実死刑囚。4年ほど前まで面会や交流を続けてきた幼なじみで作家の大石圭さんの元には、土谷死刑囚から200通を超える手紙が届いています。

 「麻原が詐病に逃げた時点で『グルと弟子の関係』も実質的に終わっていました」(土谷死刑囚の手紙)

 法廷で証言を拒否する松本死刑囚を「詐病」だとして痛烈に批判しています。

 「『仮病はやめろ。ちゃんとしゃべれ』とそれを言いたい。とにかく真実をしゃべらせたい。全く明らかになっていないと言っていた」(幼なじみで作家 大石圭さん)

 死刑執行の準備のためか、先月14日、死刑囚13人のうち7人が東京拘置所から移送されました。その中に、土谷死刑囚は入っていませんでした。

 「死刑というのは前の日の夜に、言われると土谷は言っている。次の日の朝まで自分が正気で過ごせるか分からないから。そのときを考えると恐ろしいと言っていた」(大石圭さん)

 関係者によりますと、土谷死刑囚は移送を知って驚いた様子で、被害者の命を奪ったことについて、「取り返しのつかないことをしてしまい申し訳ない」と俯きながら話したということです。(13日15:20)

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